2014年11月29日

阿久津八段戦

振り駒で先手になり角換わりへ。
後手が急戦を志向し、激しい戦いになりました。
迎えた図。△8七歩と打診してきたところ。先手▲が私です。


2014.11.28阿久津 朝日杯48手.gif


ここで▲同金と取ったのが実戦的な敗着。▲同銀と取って△5五角に▲2四歩から攻めれば勢いがあり、十分にやれる形勢でした。
▲同金と取ったことで形勢を損ねたわけではありませんが、指し手が難しくなりました。
案の定1分将棋の中でバランスをとり損ねて負かされました。

秒読みの中、前例の少ない霧のかかった中でバランスを取り続けるのは非常に難しく、A級との実力差を見せられてしまいました。

阿久津八段とは年齢も近く、奨励会でもずいぶん対戦しました。奨励会時代最後の対戦ではその鮮やかな指し回しに圧倒され、自分の将棋を見直すキッカケになった記憶があります。
そこから約10年後にようやくプロの世界で戦うことが出来、本局含め3局指して未だ全敗。まず一つ勝つというのは今後の目標です。
少しでも差を詰められるよう、また頑張ります。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 19:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 対局結果 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月27日

明日対局

明日は第8回朝日杯将棋オープン戦二次予選、阿久津八段戦です。
勝つと午後に本戦入りをかけたブロック決勝戦を行います。

PCモバイル同時中継

いきなりA級棋士との対戦になりました。
調子は上向きなので、ここ最近の成果が出せるよう全力でぶつかります。

昨日は2つの発表がありました。
「将棋電王戦FINAL」 詳細決定
LINEスタンプ申請中のお知らせ

電王戦関連は多くのニュースがあります。来年の4月頃まで色々なイベントで楽しんでください!
スタンプは私も制作に絡んでいます。早く申請が通って使いたいものです。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 11:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 将棋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月22日

西川(慶)七段戦

先手で角換わり相腰掛銀に。先日の竜王戦でも出現した最新形に進みました。

難しい将棋でしたが、うまく手をつないで優勢に。
迎えた図はどう勝ちへ結びつけるか、という局面。先手▲が私です。


2014.11.21西川慶 順位戦94手.gif


第一感は▲4四銀△同銀▲4三金でしたが、相手の持ち駒が増えるので△8六歩からの攻めが嫌味です。
そこで▲4二金と攻めました。△3二金には▲4三金〜▲4四銀〜▲5三角成があるので△3四銀▲4四銀という進行に。
この順だと相手の持ち駒が増えません。こちらの持ち駒も増えていないのですが、安全を第一にしました。

持ち駒の相関関係は最近のテーマ。それを意識して指した▲4二金がいい手だったようでここでリードを確実にしました。
以下は寄せも決まって制勝。

順位戦はまだ苦しい星ですが、一つ一つ頑張ります。


それではまた
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2014年11月20日

明日対局

明日は第73期順位戦C級2組6回戦、西川慶七段戦です。

順位戦も後半戦。前半戦の反省を活かして盛り返したいもの。
西川七段とは初対戦。大阪での対局となります。

対局の多かった10月から一転、今月は1戦目。10月の終わり頃は、ここまでにリフレッシュして研究も溜めて、と思っていたのですが忙しくて思うようにはなりませんでした。
それでも風邪も治って体調面の問題はありません。
昨年、一昨年とこの時期の遠征では風邪をひいてしまいました。
今年は体調の憂いなくいい内容の将棋を指したいもの。頑張ります。

今日から大阪入りし、長期滞在します。大阪に4泊、名古屋に1泊です。
現地でお世話になる皆さま、どうぞよろしくお願いします。
帰京は火曜日の夜の予定です。


順位戦は日本将棋連盟モバイルと名人戦棋譜速報で中継をしています。
日本将棋連盟モバイルは順位戦は注目局のみ中継。
名人戦棋譜速報は順位戦専用サイトで、全局中継しています。スマートフォン&タブレットにも対応。
ぜひご活用ください。C2は今日6回戦の半分が行われています。


それではまた
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2014年11月13日

紀伊國屋書店で将棋イベントを開催!

12月6日(土)に紀伊國屋書店@ららぽーと豊洲店で小学生を対象とした将棋イベントを行います。
初めての子〜有段者まで、レベルに応じたコースを設定しています。

詳細はチラシをご覧ください。

チラシ.png

近隣でお住まいで、将棋を指すお子さんをお持ちの方、もしくは将棋を覚えさせたいお子さんをお持ちの方、大歓迎です。
見学も自由で、紀伊國屋書店にある将棋グッズの販売も行っています。

申込フォームはこちらから
ぜひ足を運んでください。


それではまた
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2014年11月04日

将棋電王トーナメント

コンピュータ将棋ソフトによる、3日間の熱い戦いが終わりました。
私は1日目にニコ生の解説、3日目に立会人を務めました。
「第2回電王トーナメント」レポート
将棋電王トーナメント公式HPでは全棋譜も閲覧できます。

これで電王戦に出場するソフトも決定しました。
「将棋電王戦FINAL」出場上位5ソフト決定
対戦カード等は11月26日に発表されます。
将棋電王戦FINAL記者発表会 [対戦カード・日程・振り駒・関連イベント・スポンサー 他]

大会は電王トーナメントで21連勝していたPonanzaをAWAKEが決勝戦で劇的な逆転勝ちで下して優勝。
前回出場組ではやねうら王が3位に。4位のSeleneと5位のAperyが初出場となりました。


2日目はニコ生でずっと見ていて、3日間ほぼ全てこの大会を見ていました。
印象として強く残るのは、中位ソフトの実力がグンと上がった、ということです。
激指が11位でギリギリ予選通過(通過ラインは12位まで)だったことが象徴的です。
習甦が電王戦出場権を逃したことをみても、層の厚さを表しています。
コンピュータ将棋の世界ではまた新たなブレークスルーが起こりそう(すでに起こっている?)とのことで、それが中位ソフトの底上げにつながったようです。さらなる技術進歩があればここまで強くなった上位ソフトでもさらに実力を伸ばせるかもしれない、と話されていました。

決勝は劇的な逆転劇。読み筋を見ているとAWAKEは50手以上先まで読んでいることもあり、一直線の読みを強化したことでPonanzaに読み勝ったようです。コンピュータ将棋ソフトも実力が拮抗すると長時間でも逆転が起こりうる、そんないい例になったかもしれません。
絶対王者のPonanzaが敗れたのは衝撃的でしたが、新王者も生まれ、中位ソフトも底上げされ、新しいソフトも入ってきており、コンピュータ将棋の世界もさらなる発展を予感させます。

3日目は終了後に関係者の打ち上げ。開発者の方とも多くお話出来て楽しい時間でした。5位までに入った開発者は早くもPV撮りがあったようです。


そして今日の夜、Ponanzaの山本さんと再びご一緒しました。決勝での逆転についてもお話を。終盤は詰む詰まないが入り混じったことと、変化で入玉の形が現れることで形勢判断がうまくいかなかったようです。Ponanzaでもそんなことがあるのですね。
なお山本さんとは先日の王座戦第5局観戦記の打ち合わせでした。
その観戦記は11月6日(木)から日経新聞で掲載予定とのこと。ぜひご覧ください。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 22:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 将棋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月31日

第2回電王トーナメントが11/1〜3で開催!初日の解説を担当、展望も書きました

公式HP
1日目放送ページ(私が解説です)

上位5ソフトは第4回電王戦出場となります。

電王トーナメント出馬表という面白いものをTwitterで拾いました。
観戦のお供になるかもしれません。
私の予想も以前の記事を元に作られています。
他の予想も総合すると、Ponanza、AWAKE、Apery、激指が4強。残り1枠を習甦、N4S、やねうら王で争う構図でしょうか。

floodgate(コンピュータ将棋の対局場)のここ2週間のレーティングでは優勝候補筆頭のPonanzaをおさえてAWAKEが1位。Ponanzaは2位に甘んじています。スペックの問題もあって必ずしも本番の実力を表しているわけではないのですが、それでもAWAKEが打倒Ponanzaのかなり近い所にいることは間違いないでしょう。
floodgateには匿名のソフトも多いので、もしかしたら思わぬ強豪が出場するかもしれませんね。

3連休はお天気がイマイチのようなので、ニコ生とモバイル中継で電王トーナメントをゆっくりお楽しみください!


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 20:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 告知 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

佐藤紳六段戦

振り駒で先手になり、横歩取りへ。
後手が△7二銀型から美濃に囲う流れで、序盤の終わりには居飛車対中飛車の対抗形のような構図に。先日の王座戦第5局と似た感じの将棋ですね。

その序盤戦。先手▲が私です。


2014.10.30佐藤紳 朝日杯46手.gif


先手のほうが後手より陣形がだいぶ悪いので戦いにしてはいけません。
ここから▲7八金〜▲6六角〜▲7七玉〜▲6八銀〜▲8八玉と立て直しを図ったのがいい構想だったようです。
この5手で一気に陣形が引き締まり、後手と同等の堅さを作りました。

本局は全体的に落ち着いて指せて、それが勝因でした。
詳しくはモバイル中継や1月号の将棋世界で。

終局後は田丸九段に将棋世界用の取材を受けました。タブレット端末での記録、棋譜入力システムについて書いていただくようです。

これで朝日杯は二次予選進出。次はまだ発表出来ませんが強敵との対戦が組まれています。頑張ります。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 対局結果 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月29日

明日対局

明日は第8回朝日杯将棋オープン戦一次予選決勝、佐藤紳六段戦です。

王座戦第5局の解説など、慌ただしく過ごしていましたが、ここ2日間は自宅でゆっくり出来ました。
強敵ですが、二次予選進出目指して勉強の成果が出せるよう頑張ります。

この対局はモバイル中継があります。
午前の部(10時開始)ですのでお間違いなく。
初めて短時間の将棋で棋譜入力システムを使う予定です。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 将棋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月22日

王座戦最終第5局

明日23日は王座戦最終第5局羽生王座−豊島七段戦。
PCモバイル同時中継。
ニコ生解説は電王戦Final大将格の阿久津八段と安食女流のコンビです。
日経本社では中村太六段東京将棋会館では渡辺二冠の解説会もあります。

羽生2連勝、豊島2連勝ときての最終局。ここでのタイトルの行方は、竜王戦と合わせて今後数年の将棋界の流れを決めることでしょう。

本局、新聞解説として現地に伺います。
歴史的な一番を間近で見られるとあり、大変嬉しく思います。
観戦記はPonanza作者の山本一成さん。
以前担当記者の方と山本さんとご一緒した際、
「観戦記書いてみませんか」という話を横から聞いて
「じゃあ解説します!」
と軽い気持ちで言ったことがまさかこういう形になるとは夢にも思わず、驚くばかりです。

最近、コンピュータの考え方を元に人の思考を導き出す、という話を聞きました。
将棋で例えれば、コンピュータは膨大な手を読んで局面を数値化して手を導き出すことはよく知られています。
同じ一手を指すとして、人間はどういう思考でその手を導きだしているのか。1秒で500万手読むコンピュータと比べたらわずかにしか読めなくてもその手に辿り着ける、それは一体どういうことなのか。

今回はPonanzaの作者が観戦記なので、当然ソフトの考えも取り入れながら対局を観戦することになるでしょう。その考えを見ることで対局者がどういう思考をしているのかを少しでも導き出す、ということを自分のテーマとして持って臨みます。

歴史的な一戦をどうぞお楽しみください。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 12:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 告知 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする