2011年08月12日

石田九段戦・泉七段戦

結果から書くと2連勝でした。
簡単に振りかえります。

午前中は石田九段との対戦。
振り駒で先手となり中飛車へ。

失敗気味の序盤で、じり貧を嫌ってエイっと攻めると、意外とうるさかったようで気が付けば優勢に。
最後は秒読みの中うまく指せて制勝。


午後は泉七段との対戦。
振り駒で後手となり、再び中飛車へ。

角交換型の将棋から早い段階で戦いに。
少しずつ苦しい戦いでしたが、小ミスを咎めて一気の猛攻。
最後は際どい終盤戦でしたが、秒読みの中乗り切りました。


持ち時間の短いため終盤は秒読みが続きましたが、どちらもその中できちっと指せたのが勝因で、収穫でした。
ただどちらも序盤は冴えず、課題も残りました。

今日は出がけなので図面を使わず簡単に。
朝日杯将棋オープン戦はこれで次は枠抜け(予選決勝)の一番です。
昨年(二次予選1回戦負け)以上を目指して頑張ります。


それではまた
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2011年07月26日

村中六段戦

振り駒で先手になり、石田流へ。急戦での対抗で、早い段階から戦いに。

序盤はまずまず→中盤で2回の小ミスが出て苦戦に→終盤、相手の猛攻に耐える→詰むや詰まざるや

という流れで迎えた第1図。先手▲が私です。△2五金としばってきたところ。金無し将棋で受けは無し。あとは詰むかどうか。


23.7.25村中戦.gif


ここから▲4二銀△5二玉▲5三銀成〜と詰ましにいき、以下豊富な持ち駒に物を言わせて強引に即詰みに撃ち取りました。
秒読み続く中、頭の中の読みで詰みと不詰みを行き来し、読み切れたのは本当に最後のほう。幸運に恵まれた勝利でした。

早くから戦いが始まりましたが、結果的には棋譜用紙が2枚目(150手を超えた)になる大激戦。これで3戦連続で2枚目に突入しました。毎度激戦で疲労困憊ですが、充実感もあります。

苦しんでいる中での貴重な1勝。一つ一つ積み重ねていけるよう、今後も頑張ります。


それではまた
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2011年07月13日

阪口五段戦

後手で振り飛車を阪口五段に譲り、居飛車に。

苦しめの序盤→我慢の中盤→接戦の終盤、という流れで迎えた第1図。この時点で183手目。
後手△が私です。


23.7.12阪口戦.gif


▲3二飛成と金を取ったところ。運命の二択。
素直に竜を取って相手の攻めを甘受するか、攻めて、詰ます、もしくは上部を厚くするか。

ここで攻めを選択して△3七銀不成と飛び込みました。
▲同玉から詰みそうでもあるのですが、際どく詰みません。
よって上部を厚くしたのですが、最後は逆のパターンで開き直られて僅かに詰まず負けました。

正解は△3二同角と素直に相手の攻めを甘受するほうでした。以下も相当際どいですが、僅かに勝ちだったようです。


総手数217手、終局は1時52分。疲れ果てた上に負けて疲れも倍増です。
4時前に感想戦が終わり、始発で帰宅。あまりの激戦に頭が冴えてほとんど寝られず、今日はしんどい一日になりそうです。


順位戦はこれで連敗スタートに。内容は悪くないのですが、結果に結び付きません。
苦しいところですが、こういうときこそ足元を見つめ、また一から頑張ります。


それではまた
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2011年07月08日

中尾五段戦、佐藤和五段戦

バタバタしていて更新遅れましたが、一昨日の対局を振り返ります。
棋聖戦一次予選は持ち時間1時間と早指しの将棋です。午前の対局に勝つと午後にもう一局指します。
結果からいくと、勝ち→負け、でした。

午前中は中尾五段と。振り駒で先手となり中飛車にかまえました。
拙著「マイコミ将棋BOOKS 遠山流中飛車持久戦ガイド」で解説した格好に。それが第1図。先手▲が私です。△7四歩と突いてきたところ。


23.7.6中尾戦.gif


本で書いたように、△7四歩を見たら行動開始。ということで▲6五銀とぶつけていきました。
▲9六歩と△4四歩の交換が無ければ先手良しですが、この形では形勢はなんともいえません。

慣れた形だったのが幸いし、一局通じて時間の無い中でまずまずうまく指せ、最後は快勝という格好でした。


午後は佐藤和五段との同門対決(あちらが兄弟子)。モバイル中継もありました。

振り駒で後手となり、相振り飛車、相三間飛車に。奇しくも先日戸辺六段(弟弟子)との同門対決と同じ戦形に。
その時とは違って穴熊に組みました。

駒組みが下手すぎて大作戦負けに。迎えた第2図。後手△が私です。


23.7.6佐藤(和)戦.gif

先手の手番。銀取りに構わず▲9五歩と攻められてしびれました。やはり穴熊には端攻めが急所ですね。
△同歩では▲9四歩〜▲7四飛で香取りが受かりません。
やむを得ず△5五歩としましたが、▲9四歩から集中砲火を浴び、あっという間に寄せ切られました。

せっかくのモバイル中継でしたが、一方的で残念な将棋に。序盤で勝負が決まりやすい相振り飛車の怖さを味わう負け方でした。


5月からこれで2勝4敗。内容もお世辞にも良いとは言えません。兄弟子にキツイお灸を据えられてしまいました。
今月はここから3局対局があります。これをバネに、次に向けてまた一から出直します。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 22:17| Comment(2) | TrackBack(0) | 対局結果 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月22日

佐々木勇四段戦

先手で中飛車に。佐々木四段が意欲的な作戦を選択し、未知の戦いに。

ずっと難しい戦いで、最後まで双方形勢がわからないままでした。
先手▲が私です。


23.6.21佐々木勇戦.gif


今△5九飛と攻め合ってきたところ。ここから一気に激しい攻め合いになるも、最後は際どく一手負けという結末でした。

翻って第1図の私の穴熊は、2八が金で3八が銀という珍しい格好。この形が最後に祟ってしまいました。2八が銀、3八が金ならば良かったのですが。
その陣形差が結果的に勝敗につながってしまいました。


順位戦らしい長いねじりあいが続き、その中で悪手らしい悪手はなかったと思いますが、結果は結果。残念ですが仕方ありません。
一生懸命やっていてもこういうことはあるもの。初戦から悪くない内容の将棋は指せていたので、気持ちを切り替えてまた次頑張ります。


それではまた
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2011年05月27日

深浦九段戦

後手でゴキゲン中飛車に。先日升田賞を受賞した超速▲3七銀急戦との対抗形に。

序盤は抑え込まれ気味で苦しい展開でしたが、徐々に盛り返して迎えた図
後手△が私です。


23.5.25深浦戦.gif


少し前に金桂交換を果たし駒得に。ただこちらの大駒は抑え込まれ気味。対して先手陣は馬がいます。
総合的にみて難しい局面です。

ここで△5六歩と歩を垂らして手を渡したのが、良くも悪くも自分らしい一手。
効果としては▲5六桂の両取りを防ぎつつ△5七歩成で敵陣を乱す手を見るというもの。
ただ相手に手番を渡すので怖いところ。実戦もここから端に猛攻を仕掛けられました。

以下はその端攻めをうまく逆用して優位を築き、△5七歩成のタイミングを誤っておかしくするものの、際どいところを逃げ切って制することが出来ました。

この△5六歩は鋭さには欠けるけれども、全体のバランスを保つ自分らしい手で、印象に残っています。


リーグ入りを果たして表を見たとき、深浦九段との対戦に目を奪われました。なにしろ前王位とリーグ最終戦という注目される舞台で戦うわけですから。

そこで目標を立てました。最終戦に緊張感を保てる成績を4回戦までに残すこと。その上で深浦九段と良い内容の将棋を指すこと。
その目標を胸に、リーグ入りを決めた1月から過ごしてきました。

目標が実現出来て、しかも最後結果にもつながったので自分としてはこれに勝るものはありません。
この一戦にはある意味1月からずっと想いを寄せていたわけで、結果的には消化試合となって注目される勝負ではなくとも、自分にとってとても意味のある1勝です。

リーグ全体ではあと一歩というところでした。でもこの一歩は遠いです。
その一歩を埋められるよう、そしてその先を目指せるよう、これからも頑張ります。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 11:27| Comment(3) | TrackBack(0) | 対局結果 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月17日

野月七段戦

振り駒で先手になり、石田流へ。
じっくりした駒組みからお互いがっちり穴熊に組み、長い駒組み、押し引きのある中盤を経て、激戦の終盤戦へとなだれこみました。
先手▲が私です。


23.5.16野月戦.gif


先手玉は受けは難しいながら一瞬は絶対に詰まない格好。
詰めろが続くか途切れるか、という勝負になっています。

今△3一金と犠打を放たれたところ。▲同銀成は△同角▲同竜が詰めろにならず負け。
実戦は▲4三銀打と詰めろをかけましたが、△4一金打が連続犠打で参りました。
どう応じても詰めろが続かない格好。
以下押し切られました。

第1図では▲2一銀成とこちらを取るのが正解。
以下お互い正しく指せば千日手が結論でした。
しかしそこに至るまでに色々な変化があり、双方1分将棋の中勝負はどう転んだか分かりません。

将棋は最後にミスをしたほうが負ける、そんな典型的負け方でした。


前回の対戦に続き難解な終盤戦での競り負け。
悔しいですが、強い人ときちっと指すと負けても得るものがあります。

これを糧にまた頑張ります。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 20:47| Comment(3) | TrackBack(0) | 対局結果 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月11日

谷川九段戦

先手で相振り飛車になりました。
やや趣向を凝らした序盤戦を試みましたが大失敗。

ひどい作戦負けで、粘る手段も乏しく、一方的に攻められる展開に。
最後は一手半差以上の大差負けでした。

非常に残念な将棋です。
ただ新しいチャレンジには失敗もつきもの。
怖くてもそれは持ち味なので、今後もその姿勢は貫いていきます。
ただ、失敗の確率を減らし、失敗したときにもう少しマシな格好にする、この2つは突きつけられた大きな課題です。


対局当日は宿泊し、今日は関西将棋会館で行われた月例報告会に参加。
いつも東京で行われているものとはまた違った雰囲気で、最初は緊張しましたが、新鮮で楽しかったです。
その前には先輩棋士と仕事の話で打合せ。

少し関西の空気を味わい、昼過ぎに失礼しました。
そしてさきほど帰宅。

遠征の片付けをし、たまったメールに目を通し、明日の会議の準備をしたり、といった夜になりそうです。


リーグはこれで2勝2敗。最終戦もトップ棋士との対戦です。
今回のようなことにならないよう、しっかり準備をして臨みます。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 18:59| Comment(3) | TrackBack(0) | 対局結果 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月26日

大平五段戦

振り駒で先手となり、中飛車へ。こちらが5筋の位を取ると大平五段は穴熊へ。こちらも穴熊に組み、相穴熊戦となりました。
拙著「遠山流中飛車持久戦ガイド」でも紹介している指し方です。

私がパンチを出し続ける展開。ギリギリの攻めでしたが、第1図の一手で見通しが立ちました。


23.4.25大平戦.gif


ここで▲2二角成が穴熊流の強襲。△同銀は▲4二金、△同金は▲4二銀で攻めがつながります。
実戦は△同玉に▲6二金△4一飛▲5二銀と飛を詰ましました。

以下も細い攻めをつなぎ、最後は自陣の穴熊を頼りに猛攻を仕掛け、押し切ることが出来ました。

受けの強い大平五段だけに攻めさせられている感じもあり、ずっと不安も大きかったですが、そこを突破出来たことは一つ自信になりました。

竜王戦はまだまだ先が長いですが、一つ一つ上を目指して頑張ります。


最後に「遠山流持久戦ガイド」と、ついでに急戦ガイドも紹介しておきます。







それではまた
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2011年04月15日

瀬川四段戦

振り駒で後手になり、ゴキゲン中飛車の出だしから力戦模様の将棋に。

私の方が飛を振り直し、相居飛車の格好に。
序盤はこちらの構想が失敗し苦しい展開。
しかし瀬川四段が撃って出てきたところにうまくカウンターを合わせて挽回しました。
後手△が私です。

23.4.14瀬川戦.gif



▲5三歩成が見えていますが、構わず△7四歩と突いたのが良かったようです。
▲5三歩成△7五歩▲同金△6六銀、のような攻め合いになると、端歩の関係と双方の角の働きの差でこちらが良くなります。

よって△7四歩に▲6七歩と辛抱(△6六銀を消した)してきましたが、△8五歩▲同歩△7三桂と踏み込んでペースをつかみました。
結局▲5三歩成は実現しないままこちらの攻めがさく裂し、制勝しました。


序盤の構想ミスは反省材料ですが、△7四歩のあたりから踏み込みよく指せたのが勝因に。踏み込みの良さは瀬川四段の持ち味で研究会ではそれで負かされることもしばしばですが、今回はそのお株を奪いました。


GW前には竜王戦があり、そしてGW後には王位リーグが佳境を迎えます。
体調も将棋の調子も崩さぬよう、また頑張ります。


それではまた
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2011年04月10日

鈴木八段戦(NHK杯戦)

本日放送のNHK杯戦1回戦鈴木八段戦を簡単に。

振り駒で先手となり、相振り飛車、相三間飛車に進みました。
この戦形、先日の戸辺六段戦と一緒。ほぼ似た展開に進んだため、戸辺六段戦は鈴木八段との将棋が下地になっていました。これは放送前だったので書けなかったことです。


序盤は鈴木八段の得意パターンに持ち込まれそうで苦しい時間でしたが、中盤以降はペースを握れました。
地味な手を多く積み重ねたことで、終盤すごく楽な流れに。

最後は少し差がつき、緊張したものの無事に押し切ることが出来ました。
この戦形は囲いの性質上中盤で形勢が傾きやすく、それがこちらに幸いしました。

また収録当日は震災の直後で、普段とは違った心境での対局でした。
それでも対局中落ち着いて指せたのは、この対局にかかわる全ての方の努力のおかげです。改めて関係する皆さんに感謝いたします。


出場3度目にして嬉しい初勝利。次も久保二冠と強敵ですが、本局のように落ち着いて指せるよう心がけて頑張ります。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 23:19| Comment(5) | TrackBack(1) | 対局結果 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月06日

戸辺六段戦

先手で相振り飛車へ。双方振り飛車党、しかも似た形を得意としているとあって、譲らず相三間飛車という格好になりました。

序盤まずまずの駒組みが出来て先攻する展開に。攻めの細さが心配でしたが、第1図の▲7七桂で戦力不足が解消されました。


23.4.5戸辺戦.gif


「攻めは飛角銀桂」が実現し、手応えを感じました。
一手緩めたことで後手からの反撃が心配でしたが、うまい手段は無かったようです。

以下この桂が8二まで侵入する大活躍をみせ、制勝しました。


珍しく一局を通じてうまく指すことが出来、今期初戦を良い形でスタートを切ることに成功。
前期以上の活躍をお見せできるようにしたいものです。

また今回は兄弟弟子対決でしたが、変に気を張ることもなく、リラックスして指せました。
最近は相手が誰だとかに心迷わすことなく、自分の将棋を指すことに重点を置いていて、本局はそれがとても良い形で実現出来ました。
特に王位リーグはここからトップ棋士との連戦でなかなか簡単なことではありませんが、自分の全力を出し切ることを第一に頑張ります。


本局はモバイル中継されていて、また観戦記が5/17から王位戦掲載紙にて掲載されます。棋譜や詳細はそちらでご覧ください。




それではまた
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2011年03月23日

藤井九段戦

後手番で相振り飛車のスタート。しかしそこから馬を作り合い、お互いに飛が動きまわり、気が付けば▲藤井九段の向かい飛車vs△私の居飛車穴熊という格好に。


23.3.22藤井戦.gif


よく見ると一歩得。玉形も良く、ここが仕掛け所とばかりに△4五歩▲同歩△6五歩と景気よく攻めました。
しかし以下▲7六金△7四歩▲4六馬△9二飛▲7八飛と辛抱されると決め手のつかめない展開に。

ここでせっかく築いたリードをフイにし、この後小ミスあって逆に苦しい形勢に。
その後よく粘ったものの、藤井九段の的確な穴熊崩しの前にチャンスは来ませんでした。


翻って第1図では△4二飛と力を溜めるのが良かったようです。
焦ってはいけないといつも自分に言い聞かせているのですが、僅かに気が急いてしまいました。


残念な敗戦も、3年前と比べれば自分の力も付いてきていると感じました。とはいえやはりトップ棋士は強いです。
王位リーグは後半にトップ棋士2連戦があるので、今度こそ、との思いでいっぱいです。

昨日の対局で今期の全対局が終了。そのことはまた改めて取り上げようと思います。


それではまた
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2011年03月09日

村田(智)六段戦

先手で中飛車に構えると、村田六段は急戦を仕掛けてきました。
先攻に乗じて反撃するも攻めが細い展開。
迎えた第1図。先手▲が私です。


23.3.8村田(智)戦.gif


今△4三銀打に▲5九飛と逃げたところ。
銀損のうえ後手を引き、上手い受けがあればもはやそれまでという局面。頼りは後手の歩切れと陣形の薄さ。
次の狙いは▲6二馬から▲5二歩成&▲6三馬(飛金両取り)という筋です。

かなり不安な局面でしたが、後手もピッタリした受けが難しかったようで、ここを超えると急に優勢になり、以下は押し切ることが出来ました。


終局後他の結果が気になるも、誰にも声をかけられなかったのである程度察知し、ホテルに戻ってiPhoneで結果を確認しました。
最終的には2度目の次点という最終結果に。残念ですが自分としては全力を出し最善は尽くしたので、結果はやむを得ません。

前回の次点の時はかなりガクッときましたが、今回はちょっと違う感じです。当時より今の方が自分にかかる負荷は重くなりましたが、結婚をするなどで逆に精神的に逃れる術も上手く出来るにようなり、バランスが取れているということでしょう。今期の調子の良さと通ずるものがありそうです。

今回の悔しさはもう一つのリーグ戦、王位リーグで晴らしたいと思います。
そちらの次戦は再来週に藤井九段との対戦です。
また気持ち切り替えて頑張ります。

順位戦は順位も上がりますし、来期こそ昇級出来るよう、頑張ります。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 16:08| Comment(4) | TrackBack(0) | 対局結果 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月04日

千葉六段戦

振り駒で後手となりゴキゲン中飛車へ。
千葉六段が▲5八金右型の超急戦を指向し、こちらもそれに乗って午前中から激しい戦いに。
後手△が私です。


23.3.3千葉戦.gif


今▲1三竜と引いたところ。この手は先日の棋王戦第2局、△久保棋王―▲渡辺竜王戦で出た渡辺竜王の新手です。対して△5一桂と指し(久保棋王は△6六馬と指した)、そこからは完全に未知なる分野。長考合戦に突入しました。

非常に難解な将棋でしたが、こちらが僅かに踏み込みを欠いた手を指し、そこを突いて一気に踏み込まれてしまい、終盤は際どく足りない展開で敗戦となりました。


今年に入ってから同世代の千葉六段、そして藤倉四段に負かされました。
昔からの仲間に、ちょっと調子が良いかなとなったところできついお灸をすえられ、自分のまだまだ足りない部分に気付かされます。
今回も残念な敗戦ですが、今月はここから大きな勝負が続くので、今回のことを糧としてまた頑張ります。


それではまた
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2011年03月01日

NHK杯予選(2月25日対局分)

今日は先日行われたNHK杯予選の3局を簡単に振り返ります。
予選のトーナメント表はこちら

珍しく振り駒運のある1日で3局全て先手番。図面の先手▲が全て私です。

1回戦は伊藤(果)七段と初対戦。
開始前、コラムを娘さんの伊藤女流にお願いしているので、そのことからモバイルのことで談笑。

将棋はこちらの石田流から持久戦となり、相穴熊へ。
終盤、端めがけて猛攻を受けました。


23.2.25伊藤(果)戦.gif


この成香の処置ですが、銀で取るのが手筋。もし△同香成とくれば▲同香が王手になり、攻めが一段落します。
覚えておきたい相穴熊の手筋。この後端を逆襲して制勝しました。


準決勝は西尾五段とこちらも初対戦。
三段リーグ以来なので10年ぶりくらいの公式戦でした。

なんと1回戦と全く同じ格好。石田流から相穴熊へ
しかし今度は作戦負けから苦しい展開に。
ただ相手にもミスが出て、第2図は有利で迎えています。△3一金と受けてきたところ。


23.2.25西尾戦.gif


ここで▲同竜△同銀▲4一金と一気に攻めたのが攻判断だったようです。
時間の短い将棋で迷う暇もなかったのが幸いしました。
金3枚銀1枚の計4枚で攻めているので切れないようです。
以下攻め切って決勝へ。


決勝は飯塚七段とこちらも初対戦。
いつもお世話になっている先輩棋士。ですが将棋を指すのは初めてだったかもしれません。

ここまでのゲンを担いで三度穴熊へ。飯塚七段は棒銀で対抗してきました。
二転三転する激戦。盤上がスッキリした第3図


23.2.25飯塚戦.gif


ここで大切なのはなにより手番。
豊富な持ち駒を活かして▲2五銀と捨て駒をしました。
これでどう逃げても詰んでいるようです。
実戦もなんとか詰ましきりました。


振り返ると苦しい戦いばかりで、負けの局面も多くありました。
本当に幸運な予選通過。この幸運を次につなげられるよう、まだ未勝利の本戦でも頑張ります。


それではまた
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2011年02月23日

豊島六段戦(五段昇段)

先手で王位戦では連投となる、四間飛車穴熊へ。
豊島六段も穴熊に組んで相穴熊の形になりました。

本当に長い戦いで、優勢から互角に戻され、一瞬負けを覚悟した場面も。
一分将棋の中再び勝勢にするも簡単な決め手を逃し、最後はギリギリで即詰みに撃ち取る事が出来ました。
総手数175手。80手近くを秒読みで戦っていたので、終局後は放心状態でした。

幸先良くリーグ初戦を白星で飾ると共に、勝ち星規定で五段昇段となりました。

いろいろ嬉しいですが、内容的には課題も多く、今後も続くリーグ戦では課題を解消しながら少しでも強くなっていきたいものです。


感想戦終了後は、豊島六段、解説の西川四段、観戦記担当記者、中継担当記者、と夕飯へ。
対局後は真っ直ぐホテルに戻ることが多いのですが、今回は特に中継担当の新人記者の方とお話をしたかった(関西の方とはなかなかお会いできない)ので、当初の予定通りの流れ。忙しい豊島六段にも付き合っていただき恐縮でした。

関西勢の仲の良さを楽しみつつ、色々ネット事業関連の話も聞けて、有意義な時間でした。

なお本局はモバイル中継されており、また4/4から王位戦掲載紙に観戦記が掲載されるので、全棋譜、詳細な解説はそちらをご覧ください。


今日は昼過ぎに帰京。帰宅後は事務作業などをこなしています。
予定表にはありませんが、また金曜も対局があるので夜は自宅でおとなしくしています。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 17:28| Comment(13) | TrackBack(0) | 対局結果 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月18日

藤倉四段戦

振り駒で先手となり、相振り飛車に。
ずっと難しい戦いの中、ようやく勝ちになった、と思った瞬間に落とし穴が待っていました。
先手▲が私です。


23.2.17藤倉戦.gif


一直線にお互いに駒を取り合い、進んだ第1図。ここで勝ちに導く手順がある、はずでしたがどうやっても負けの順しか見当たらず。
▲5三金や▲5三銀など厳しい手はあるもののどちらも勝ちには結び付かず、この局面は既に負けのようです。


勝ちへ続く道と思っていたのが負けへと転落する道でした。
入念に、慎重に読んだはずだったのですが。特に終盤の読みの大切さを思い知らされる一局。
手痛い黒星ですが、自分への教訓としてまた頑張ります。


それではまた
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2011年02月05日

勝又六段戦

振り駒で後手となり、久しぶりに2手目△3二飛戦法を採用。
そして第1図のような局面に。後手△が私です。


23.2.4勝又戦.gif


今△7二銀と上がったところ。奇異な形ですが、ちょうど1年前の村山五段戦でも採用しています。
当時の記事はこちら

狙いとしては▲2五歩に△3四歩と突いて角交換となった時、▲6五角の両狙いを防いでいるというもの。
▲8二角の打ちこみが気になりますが、△9三香と逃げて大丈夫とみています。

なかなか優秀だと思うのですが、なんといっても△3二飛戦法は初手に▲2六歩と突かれると指せないのが難点で、最近はご無沙汰でした。今日はやるぞ、と思っていると初手▲2六歩と突かれてずっこけることもしばしば。。


実戦は先手が乱戦を避けたため、手損無しに石田流に組むことが出来、まずまずの展開に。
4手目に端を受け、6手目に銀を上がっておきながら穴熊となり、最後はその穴熊の堅さが生きて制勝しました。


今週は順位戦(大阪)→本局と対局が続き疲労困憊。今日は午前中小学校へ指導に行き、戻ってすぐから昼寝をしました。

対局が詰まった時にものを言うのはなんといっても健康と体力。今回は幸いにも良い結果に終わりましたが、体力面には課題も残ります。体力をつけることの大切さを痛感しています。


それではまた
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2011年02月02日

村田(顕)四段戦

後手番でゴキゲン中飛車に構えると、前局の堀口(一)七段戦と同じ急戦策を村田四段が採用。
そのときとは違った対策で臨みました。偶然にも本日行われているA級順位戦でも同じ将棋が指されています。

中盤にかけて、押したり引いたりが長く続く展開で、急所がつかみづらい将棋に。

しかし第1図の△9八歩で手応えを感じました。後手△が私です。


23.2.1村田(顕)戦.gif


「手裏剣」という表現がぴったりでしょうか。▲同玉は△7八銀が角取りと△6七銀成をみて急所の手となります。
実戦は▲5七角でしたが、△9九歩成▲同玉にやはり△7八銀が狙いの一着。

以下▲8八玉△6七銀成と進んで飛先の突破に成功。
突破してしまえば堅陣が生きる展開で、実戦もこのあとなんとか押し切ることが出来ました。


順位戦はこれで残すはあと1局。
昇級に向けてはいわゆる他力(自分が勝って2人負けると昇級)ですが、まずは最後まで昇級争いに加わるという目標は達成出来ました。

気負わず余計なことにとらわれず、最後も目の前の勝負に集中して、いい将棋が指せるよう頑張ります。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 17:16| Comment(5) | TrackBack(0) | 対局結果 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする