2008年05月10日

堀口(弘)七段戦

振り駒で先手となり、中飛車に。オーソドックな対応でしたが、途中で後手に疑問手があり、長考した末に仕掛けたのが好判断で大作戦勝ちに。
ところが安全勝ちな攻めを逃し、際どい攻めを敢行する事に。そして迎えた第1図


堀口(弘)戦 20.5.9@.gif


今△31角と角を手放して受けに来た局面。▲53金と打ち込むのもありそうですが、実戦で選択したのは▲71銀。
これが狙いの一手で、どう逃げても飛が詰んでおり、飛が手に入れば後手陣は薄く攻めきれそうです。
ここで優位を意識しましたが、直後に落とし穴が待っていました。


堀口(弘)戦 20.5.9A.gif


△46歩ときた局面。ここで▲同銀だと△56歩が嫌味(▲同飛には△83角が好点の角打ちになる)に映り、一気に決めに行きました。
▲53歩成△47歩成▲同飛と進み、そこで△53金なら▲42飛打△33玉▲22飛成△同玉▲42飛成で決まります。
ところが△45歩▲52と△77角成と進んで第3図


堀口(弘)戦 20.5.9B.gif


ここでハタと手が止まりました。後手玉への寄せが見えず、逆にこちらは△46桂と打たれると、次に△65角が激痛になりそうです。
どうも▲53歩成が大悪手で、一編に逆転してしまったようです。将棋は決めに行って決まらないと大抵ヒドイ事になります。

やむを得ず強引に攻めていきます。
第4図は▲21竜とした局面。


堀口(弘)戦 20.5.9C.gif


△31金で竜が詰みますが、それはこちらの思うつぼ。▲15歩と突いて、△21金には▲14歩から押して行けば詰み。△同歩には▲14歩△同玉▲26桂からピッタリ詰みます。
▲21竜を第3図で長考して発見し、まだいけるか、と思っていたのですが、この第4図で△26桂がどんぴしゃの一手。26に駒が打てないとなかなか後手玉が寄らず、逆に次に△65角が詰めろ竜取りで激痛になります。

この△26桂で夕食休憩に。あわせて1時間位考えましたが、どうにも勝ちが出ません。参りました。泣きたくなりました。いつもは夕食休憩時はどんな事があっても軽く何か食べるのですが、買い物に行く気も起きず、呆然と盤の前で考え込んでいました。

結局粘りに行く事に。その後相手にミスもあり、形勢が再び急接近しましたが、どうにも僅かに足りないようで。

今▲31角と王手をした局面。


堀口(弘)戦 20.5.9D.gif


ギリギリの勝負になったと思いました。例えば△22銀には▲同角成△同玉▲34桂△33玉▲35銀で。
また△22金には▲45桂と打っておき、△47角成には▲同金△同歩成に▲15香が詰めろ逃れの詰めろになります。△37とや△28金と迫ってきても▲16玉で斜めの駒が無いので詰みません。
△22金▲45桂△49飛には▲33桂成と開き直って、これも先手玉が詰まず勝ち。

しかしここで△12玉が唯一の手段で本譜。
▲45桂△49飛▲33桂成には△29飛成▲28桂△16金(!)以下まさにドンピシャで詰まされます。△22金と打ってしまうとこの時に金の枚数が違う為詰まないのです。
実戦は▲42ととしましたが、△49飛▲39桂△47角成とこられ、角をもらっても1歩足りず後手玉が詰みません。

最後はかなり追い込んだのですが、際どく残されてしまいました。
堀口(弘)七段は昔、今で言うと宮田五段のようで、詰将棋解答のスペシャリストだったそうなのですが、この将棋でも最後詰む詰まないの判断が非常に正確で、実戦も最後綺麗に長手数の詰みに討ち取られてしまいました。

それにしても序盤から珍しく上手く指していたのに、第2図での判断ミスが悔やまれます。それ以降はどうしても足りない将棋になってしまいました。たまに作戦勝ちするとダメですね(苦笑)
良い薬だと思い、今期は二の轍を踏まぬように肝に命じていきます。

今日は起きてからずっと衣替え&掃除に取り組んでいました。やっと冬のコートをしまい、ホッとカーペットをしまい、溜まったほこりも綺麗にし、スッキリしました。
部屋と同様、気持ちも新たにまた明日から頑張っていきます。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 19:55| Comment(2) | TrackBack(0) | 対局結果 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
残念無念・・・
堀口七段の会心譜になりましたか。
中終盤いろいろ変化豊富で面白いですね。
棋譜が欲しいです(笑)
第1図ではアマなら5三金からガリガリ行きたくなりますね(笑)
第2図では同銀、5六歩、同飛車、8三角には
ここで5三歩成はどうでしょう・・・
勢い5六角、5二とでどうか。
3八角成同玉は大丈夫ですか。
4七金なら4二金、3三玉、5三飛車で
王手角取り。これならありますか。
第3図はアマなら4一飛車か5四飛車ぐらいで攻め合いですね(笑)

第4図、2六桂ですか。
アマならここは開き直って
1五銀の奇手が指したいですね。
アマならこれで先手勝つかも(笑)
同歩、同歩、2四歩なら3二龍で
2三銀打、1四歩、同銀、同香、同玉。
1五歩は2五玉で残していますか。
3四龍でどうか。
と思ったら、1五銀には
3八桂成から6五角で後手勝ちですね。
1四銀、同玉、1五歩に2五玉ですね。
参りましたね(笑)

衣替え&掃除の気分転換の術はさすがです(笑)
新たに取り組んでいただきたいと思います。
Posted by 駒落ち好き at 2008年05月10日 21:24

 決めに行って決まらないとひどいことに
 ・・・は気持ちお察しします。
 でも人には読みの他に感覚というものが
 あり、5三歩成で悪いとは思えない所が
 不運でした。
 そのあとも 何か ありそうですが・・
 私の棋力では わかりません (笑)。
 
 衣替え か・・私もやらないと・・。  
Posted by 石川 歩  at 2008年05月11日 00:14
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