成績は19−16(1不戦勝1千日手) 0.543
2006年度は24−15だったので、勝率的には随分下がってしまいました。
この要因は負け数が多かった事。負け数というのはリーグに入ったりしない限り、実はそう変動しません。順位戦の星でほぼ決まると言っても過言ではないでしょう。
2007年度は順位戦は好調でしたから、どうしてかというと、それだけ2006年度から持ち越した(4月を超えて生き残っていた)棋戦が多かったという事でしょう。そして2007年度から2008年度へ持ち越した棋戦はというとほぼゼロといったところ。それだけ良く負けた1年といえるでしょう。
全体的に後一歩という棋戦が多く、良かったような悪かったような。
8月〜1月の終わりまで、対局室で負けなしの13連勝!(銀河戦のスタジオで1つ負けました)。師匠に勝った11月位からまさに勢いに乗った感じでした。
しかし、7月と2月に負けが集中し、数々のチャンスをつぶしてしまいました。
ちなみに7月からの成績は
●●●●●○○○●○○○○○○○○○○●●●●●○●
5連敗、3連勝一つ挟んで10連勝、5連敗。昔から連勝連敗タイプでしたが、ここまで極端に出るとは(苦笑)まあ2度の5連敗は相手も強かった(A級3名)ので多少はしょうがないかと。
ちなみにこれは直すも何も無いので、まあ連敗を長くしないように気をつける、という事につきますね。
上にも書いたように、名人とA級棋士2名と指せたのは収穫でした。全敗でしたが、得る物の方が多かったと思います。何より、強い人と指すのはそれだけで楽しいものです。楽しいに加えて当然次は勝利を狙うのみです。
順位戦は良い所までは行けましたが、2月に淡路九段に負けたのが痛恨でした。ベテランの先生にまさにキツイお灸をすえられました。次点はあくまで結果として、という感じで、急所で負けてはダメに決まってます。次点のご褒美として来期はライバル達よりも順位が上なのですからより一層頑張ります。
戦法的には、中飛車を多用した1年でした。先手で3局後手で16局。途中まではゴキゲン中飛車でだいぶ勝ち星を稼ぎましたが、年度末の急失速ではゴキゲンで随分痛い目にあってしまいました。
対局以外では、何といってもファンの方の目に一番触れたのは「ご主人様、王手です。」でしょう。
去年の今頃、まさかこういうお仕事をする事になるなんて想像もつきませんでした。「メード女流棋士を育てる」ってまあよく思いついたものです(笑)楽しい事も大変な事もいっぱいありましたが、引き受けて良かったです。
ちなみにこの番組、実は台本というものが存在しません。つまり、カメラの前で全部アドリブで喋らなければいけないわけです。教えるのは一応プロとして何とかなりますが、喋るのはど素人なわけで、これが何より大変でした。しかし反面かなり鍛えられました。もう今では「ドンと来い」と小声で言えるくらいにはなったと思います。
同じく教える仕事で、小学校に教えに行った事も良い経験になりました。
今まで「将棋を習いに来ている子」には沢山教えましたが、「教育の中で将棋を学ぶ子」に触れるのは初めてで、その違いには戸惑いました。いや、結局1年通してそれが克服出来ずに苦しんだといえるでしょう。もう何度か経験してみなければ分からない事も多いと思います。
先日講習を受けた安次嶺先生の子どもが激変する将棋メソッドを買って勉強しなければいけませんね。
将棋界でも2006年度に続き、色々な事がありました。2007年度のブログをざっと読んでみたのですが、本当に色々な事があって、あっという間に時が過ぎて行ったような気がします。その中で自分自身がどれだけ成長出来ているのか、時折不安になる事もあります。でもどんな事にも一生懸命取り組み、自分自身の糧になるようにしていきたいと思います。
これは対局にも言える事で、一生懸命取り組む事からこそ何かが生まれてくるはずです。2008年度は更なる飛躍を目指し、ただひたすら一生懸命突き進んで行く事とします。
最近感じるのですが、去年の「ご主人様、王手です。」ひとつとっても、どんな仕事をしていくかなんて先の事は全く分かりません。もちろんこれからも将棋界で貢献出来るよう一棋士として頑張っていきますが、将来「どんな仕事」をするかなんて全く分からないわけですから、様々な事に挑戦し、様々な出会いを大切にし、自分自身の成長につなげていきたいと思います。
2007年度もご愛読ありがとうございました。この一年でアクセス数も随分伸びた気がします。それだけ応援してくださる方が増えているのだなと感じ、更に頑張り甲斐が出て来ます。
2008年度も応援のほど、何卒よろしくお願い致します。
それではまた
【関連する記事】
遠山四段の成長ぶりはこのブログを通じて、
棋譜を通じて、文章など他の仕事ぶりもありありと伝わってきます。
フットワークを活かして縦横無尽に行き来する
意欲、普及精神に頭が下がります。
なにより楽しんで活動されていることが良く分かります。
戦法に関しては中飛車を主力にサブに石田流といったところでしょうか。
四間飛車も藤井システムの最新型や四間穴熊は私の記憶ではほとんど馴染みがありませんね(笑)
対急戦はありますね。
将棋世界でも藤井九段が居飛車党に熱意を持って急戦を勧めていますが(笑)
角筋を空けたまま四間や、佐藤流の
角交換の力戦振り飛車も振り飛車党の感覚として好まないようですね。
今後の振り飛車戦線も気になりますが
体調が不調との書き込みも増えたような気がするので(笑)くれぐれも御自愛下さい。
2008年度も引き続きさらなる殻をうち破り
上を目指していってください。
中川理事は「冒頭のコントは最初は台本なかったけど(好評だったので)あとから台本も演出もついてNGまで出すようになっちゃった」
と語っていましたが・・・
それは冒頭のコントだけなんすかね。