中継は大和証券杯ネット将棋公式HPで
加藤九段は先日1000敗を達成し、世間の注目を浴びました。新聞記事でも随分取り上げられていますし、ざっと検索しただけでも60以上のブログで言及されています。
確かに1000敗は凄い記録で、ちなみに私は前期15敗だったので、単純計算で毎期15敗ずつして約67年!!95歳まで現役を続けなければいけません(汗)
2262対局をこなしている加藤九段でも未経験なのがこのネット対局。今日はその記念すべき日。非公式戦なので対局数にはカウントされませんが、それでも今日という日は記念すべき日になるでしょう。
そして力強いコメントも加藤九段らしい。
【新鋭振り飛車に一言】
新鋭で振り飛車を指す人が多く、私の対振り飛車作戦は相当知られているようである。しかし急戦志向の私の作戦は通用すると考えている。
独特の言い回しですね、これぞ加藤流(笑)。確かに「加藤流」と呼ばれる作戦は優秀な物が多く、矢倉の37銀戦法や対振り飛車の棒銀戦法は現在でも主流の作戦の一つです。
対する千葉五段は、今回の新鋭振り飛車党のエースといっても良いと思います。年齢も出場者中一番上。
少し前までは四間飛車一本で、その中でも藤井システムと対居飛穴の指しまわしはプロでも注目される存在でした。ただ今は中飛車等も取り入れ始め、四間飛車一本という感じでは無くなってきているのは少し寂しいところ。プロ全体的に四間飛車が指されなくなっているのですが、それは千葉五段があまり指さなくなったから、というのも理由の一つだと思います。
今回は加藤九段が先手。千葉五段がどの筋に飛を振ろうとも、加藤九段は9割方「棒銀」。ただ最近違う形も時折指しているので絶対とは断言しにくい。
千葉五段としては四間に振って加藤流棒銀を迎え撃つのか、それとも最近多い中飛車(ゴキゲンではなく角道を止めるタイプ)を採用するのか、迷うところでしょう。
個人的な今日の見所は、果たして加藤九段が無事指しきれるか、という事。若干失礼な言い方かもしれませんが(苦笑)。ただでさえいつも時間が切れそうな加藤九段、それに輪をかけて今回はネット将棋。記録係もパソコンですから容赦なく「10」を宣言されてしまいます。観戦する方もハラハラしながら見る事になりそうですね。
千葉五段の方はネット将棋にも精通しているので、そういう事は無い、と思うのですが、こちらも普段結構時間ギリギリに指すタイプなので気をつけて欲しいところ。控え室での10秒将棋を見ていると2局に1回位切れている気が…
普通にいけばネット対局への適応度で千葉五段が勝ちそうですが、今回の対抗戦での熟練組の強さを見ると、加藤九段がネット対局での不慣れさをものともせずに圧倒しても何ら不思議ありません。
今回の対抗戦の中でも一番の注目カード。熟練組が優勝を決めるのか、新鋭組がタイに持ち込むのかも注目されます。是非ご覧ください!
ところで渡辺竜王が早くも昨日のJT杯の内容をブログで更新していて驚きました。まだ将棋連盟のHPにも結果が出てないのに(笑)。そのサービス精神は見習わなければいけませんね。
それではまた
【関連する記事】
加藤九段はすごいですね。
棒銀が残された恰好でしたが、勝ちました。
捌き合いのあと後手はほかに色々ありましたか。
先日の将棋祭りの席上対局でも
先崎八段に棒銀で勝利。
おそるべしです。たゆまぬ研鑽の賜物ですね。
竜王の素早い的確で詳しい解説にはいつも頭が下がりますね。
しかし森下九段も矢倉となるとさすがの
指し回しですね。
竜王の勝負手にも動じず細かく対応していますね。
最近不調かと思っていましたが、
さすが「本家」です。
この形で負ける訳にはいかないという
意地もありましたか。
急に強さが復活したような印象です(笑)
引き続き遠山四段の順位戦も楽しみです。
お二人とも「切れ負け」の危機が何度かあったように見えましたが(^^;、無事終わってよかったですね。
時間を余しての勝利、というパターンが続いていましたので、新鋭チームの負けが確定したとは言え、私としては満足しました。