2007年06月20日

島本四段戦

 島本四段とは去年の夏以来。その時は竜王戦で痛い目に合いました。
 その時と同じように、私が後手でゴキゲン中飛車に。先手の島本四段はその時と違って角交換型に。
 そうくればこちらも△72金で対抗。新型で、お互いに時間を使う展開。その中でこちらにミスがあり、大きく形勢を損なう。
 しかし楽観からか島本四段にミスがあり混戦に。今日はその終盤を取り上げます。
 盤面は解説の便宜上先後逆。私が先手、▲です。


島本戦 19.6.19@.gif


 第1図は△47歩の手筋に▲同歩としたところ。ここは難解になっています。例えば△56金とすれば▲39銀と補強します。そこで寄せづらい。△49角が手筋ですが、▲同玉△47金で部分的には必至形。しかしそこで▲66角が絶妙。以下△同銀成▲48歩で凌げます。

 実戦は△48金▲37玉(▲28玉は△39角で、▲18玉は△38金▲17銀△53馬の詰めろ飛取りで負け、▲37玉は△47金が好手で、▲26玉しかないが△48角成で一手一手)△56金と進展。
 そこで▲81飛成が勝負手。


島本戦 19.6.19A.gif


 後手の真の狙いは▲26玉とさせて△53馬の王手飛車。だからそれを避けつつ、良い駒である桂を入手。ただしこの手は最終盤で指す手ではなく相当ぬるい。そういう意味での勝負手です。

 さてここで後手は二択。金を入るか引くか。
 本譜は入ってきて逆転。引きなら負けでした。

 どういう事か。▲26玉の時に△48角が打てるかがポイント。
 △47金引▲26玉△48角と進み


島本戦 19.6.19B.gif


 ▲37桂打△46銀不成▲49桂と進みます。そこで△44歩が好手!


島本戦 19.6.19?C.gif


 桂を使い果たしてしまったので後手玉が寄らず負け。▲49桂で▲28銀と受けてもギリギリ負けそうです。

 そこで△47金引に▲28玉とします。ここで私の読みでは△48銀成でギリギリ、だったのですが、後に控え室の検討を聞くと△48銀不成でわずかにこちらが勝てない、との話。さすがに難しすぎて読みきれませんでした。ちなみにこの変化を書いていたものの、あまりの難易度に途中で止めました。

 というわけで後手は△47金引の一手だったのですが、△47金上だったので勝ちになったようです。

 以下▲26玉△62角▲35桂△46銀成▲25銀△45成銀▲同飛△44金と進んで第5図


島本戦 19.6.19D.gif


 ややこしい終盤は続きます。ここで▲43桂成△45金▲44歩だと△43銀で


島本戦 19.6.19E.gif


 これはまずい事に。そこで▲41竜△同銀に▲43桂成としました。どういう事かというと、△45金に▲44歩とし


島本戦 19.6.19F.gif


 ここで43の成桂が取られません。先手玉は飛に強い形です。
 △同金なら▲33銀から詰まして勝ち。△同角▲同成桂△同金は先手玉が詰めろにならないので▲53角の詰めろ金取りで勝ちです。

 というわけで▲44歩で後手が投了。難解な終盤を制しました。

 途中はかなり苦しかったのですが、辛抱の甲斐がありました。しかしもっと前からエンジンをかけていかないといけませんね。とはいえ初戦勝利は嬉しいです。

 終了後は羽生ー藤井の感想戦を観て、その後C2の将棋を皆で鑑賞。
 更にその後若手棋士達と色々話していたらば夜が明けていたので始発で帰宅。さすがに疲れ果てました。でも若手達と話したのは面白かったし刺激にもなりました。彼らに負けないよう、私も頑張らねばいけません。

 長い一日が終わり、次の対局はいよいよNHK杯になります。


 それではまた
ラベル:将棋
posted by 遠山雄亮 at 22:11| Comment(9) | TrackBack(0) | 対局結果 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
蛇足ながら、第6図は▲72竜という好手があって勝ちそう、という評判でした。

面白い終盤で、この日は良い手をたくさん覚えました(笑)
Posted by daichan at 2007年06月20日 23:36
順位戦初戦勝利おめでとうございます!
あと残りも9連勝でいけるよう応援してます。
余談ですが、今週末東京に行こうかと思っているので、お勧めのラーメンを食べてみたいと思っています。今から楽しみです(^^)
Posted by 忍者福島 at 2007年06月20日 23:40
ぎりぎりの終盤を制しての初戦勝利は、格別でしょうね。
おめでとうございます!
2図の▲81龍は、名人戦の郷田九段の△19龍を彷彿とさせますね!
Posted by hungry at 2007年06月21日 00:18
順位戦初戦逆転勝利おめでとうございます!!
遠山流は中盤が課題、終盤は粘りと根気ですね(笑)
すごい混戦熱戦終盤でしたね。
やはり名人戦の大逆転もありましたから、
諦めてはいけませんね。
解説以外の所でもジッと歩を受けたり等、
随所に粘り強い、感銘深い手がありました。
終盤を勉強するなら遠山棋譜、です(笑)
対局後も皆さんで話し込まれたようですね。
充実の良い時間を過ごされていますね。
次局はNHK杯戦ですか。
新A級の行方八段戦楽しみです。
Posted by 駒落ち好き at 2007年06月21日 00:56
中盤以降ずーと島本四段に押されて苦しかったと思います。
実際は遠山四段は後手番で、最近続いている逆転劇ですね。

最終盤▲4一龍の時△3五金▲同歩△4一銀ならどうだったんだろうと考えていましたが、▲5五桂で勝ちですかね?
以下△4四馬▲同飛△同角と詰めろ逃れの詰めろが続きますが、▲4五金と押さえてしまえば大丈夫そうですね。
Posted by K.O at 2007年06月21日 11:05
ほぉ〜〜〜。勝ちましたかっ。
おめでとうございます。
次回も期待してますよんっ。
Posted by こてくん at 2007年06月21日 18:45
勝負手はぬるい手。遠山先生らしいですね。ぬるいようで辛い手です。
行方八段は振飛車退治が得意だそうですが、健闘勝利を祈ります。
Posted by いしのひげ at 2007年06月22日 09:53
盤面つきの解説は分かりやすくてありがとうございます。ただし、指し手は「先手」「後手」ではなくて棋士名であるべきだと思います。変化図・参考図は「先手」「後手」でOKです。新聞観戦記ではそれが通例ですので、なんか違和感があります。よろしくお願いします。
Posted by ななーし at 2007年06月23日 02:54
皆さんありがとうございます!

daichanさん>良い手ですね。参りましたw

忍者福島さん>是非!

hungryさん・駒落ち好きさん>名人戦と同列に見ていただけて嬉しいです。確かに似た感じの勝負手ですね。

k.oさん>▲55桂は良い手ですね。

いしのひげさん>自分でも私らしいと思います。

ななーしさん>一応私なりの考えがあるので、これからも先手後手で通していきたいと思っています。もし見難い等あればまたコメントいただければと思います。
Posted by よんだん at 2007年06月23日 22:00
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