2014年04月15日

第3回電王戦第5局

既報の通り第3回電王戦第5局はPonanzaが屋敷九段に勝ち、コンピュータ側の通算4勝1敗で幕を閉じました。

私は終日現地に詰めて検討にも加わっていました。
この対局ほど人間とコンピュータの価値観がぶつかり合った対局は見たことがありません。
戦いが始まってから、棋士はほぼ全員先手持ち、控室のソフトと対局者(Ponanza)は全員後手持ちでした。

こういう場合どちらかが正しいというよりは、形勢が難しいケースが多く、本局もその例にもれないでしょう。
104手目の△8三歩まで、均衡の取れた素晴らしい内容でした。
互角のままずっと推移していったらどういう結末を迎えたのか。素敵な推理小説のトリックを読み損ねてしまった気持ちです。とはいえ屋敷九段もPonanzaも戦いが始まって80手近く好手を続けていたと思われ、その強さにはため息が出ました。検討していて勉強になりました。

最後のミスについての真相は本人しかわかりませんが、さすがの屋敷九段といえども体力気力とも苦しい状況だったと思われます。
森下九段が記者会見等でさかんにお話されていた「ヒューマンエラーをどうなくすか」というのは人間の大きなテーマであり、今後も特に対コンピュータ戦で問われていくでしょう。

これで長い5週間が終わりました。最後は打ち上げにも出席し、余韻を楽しむように深夜まで関係者や開発者とお話をしていました。


第3回電王戦は最初盛り上がりに欠けている印象で、第2局では不幸なトラブルもあり、先行きに不安を感じていました。
しかし熱戦が多かったことや関係者の努力もあり、1局毎に盛り上がりをみせ、最後は70万人を超える来場者数でした。一つの番組では前例が少ないほどの多さとか。
情熱大陸など一般的に取り上げていただく機会も多く、この電王戦には大きな価値があり、潜在的な力もかなりあると認識しています。

第4回についてはまた項を改めて、総括と一緒に書こうと思います。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 13:17| Comment(7) | TrackBack(0) | 電王戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
電王戦。いろんな問題が浮上したとも言えそうですが、将棋自体は面白かったですね。
電王戦という形でなくてもいいのですが、トップソフトの最高の将棋を解説付きで見る機会が増えてほしいと願っています。
Posted by たるく at 2014年04月15日 15:39
電王トーナメントではNPSが大きくならないようにCPUはCeleronメモリは2GのPCを使って下さい。このPCなら電王戦でプロが勝ち越します。
Posted by 電王トーナメント at 2014年04月15日 15:52
人間とCOM君の大局観の究極の競い合いに興味があります。

それでポナンザ・クラスターとプロ棋士(盤駒+合議制+時間無制限)での対局を希望します。
Posted by samurai at 2014年04月15日 19:10
お疲れ様でした。タイトルホルダーが出てないので、という余地は残してますが
今年の条件でこの成績は非常に厳しいものでしょう。
来年もしやるとすれば、コンピュータの方の性能を制限する(すなわち棋譜の質が下がる)
のではなく、人間の方のパフォーマンス(より強い人を出すとか、ミスを少なくするための
持ち時間、盤駒使用など)を上げる方向でいってほしいと個人的には思います。
そうすればよりレベルの高い棋譜が生まれ、勝っても負けても、それを解説するプロ棋士が
しっかりしてくれれば本当に将棋が好きなファンは十分に楽しめると思っています。
どういうふうに相手の制限をすれば勝てるか、ではなく、どうすればより質の高い
棋譜が生まれるか、という方向で検討してくださることを強く願います。
Posted by せる at 2014年04月16日 01:07
もうプロの棋譜に魅力を感じないな。
流行の戦型のマネばかり。

それに比べて
コンピューター選手権の棋譜は異次元のねじりあいの将棋で
見ていて楽しいよ。
Posted by hiro at 2014年04月16日 02:23
電王戦は回を重ねるに連れてテーマが少しずつ変化しているように感じます。
前回の第二回でコンピュータが強いのは折り紙が付きました。
今回は人間側の指し手に、プロの感覚とコンピュータ独特の読み筋を融合させた考え方が見られるかなぁ?等と思っていました。
電王戦本戦は'勝負将棋'ですから、プロ側にそんな余裕は無かったでしょうけど、プロ公式戦では、名人戦のポナンザ新手や後手横歩取り62玉等、新たな戦略として将棋界にインパクトを与えているようです。
記者会見で開発者の方々が述べておられた、「プロの技術の更なる進歩と、プログラムの更なる発展」が始まっているように感じます。それは素晴らしいことです。
でも、厳しく言えばプロは負け過ぎでしょう。ずっと負け越しでは興行として成立しません。
次回第四回電王戦ではコンピュータはもう一つ強くなっているでしょう。でもプロもコンピュータの考え方からインスパイアされた指し手を見せて欲しいと思います。
Posted by ニンジン at 2014年04月16日 09:06
A級クラスが二年続けての完敗だから、来年は相当キャストに魅力が無いと。。
4枠にひふみん
5枠に康光さんかナベアキで

で、次の年に
4枠に谷川会長
5枠にウティか羽生さん

でも、そこまで人気が持つかどうか。

ずーと持ち続けてる疑問ですが、PC対策に随分時間が必要と言われます。
ただ、同じ将棋ですよね。対人間、対PCでそれほど変わるものなんでしょうか?
野球がソフトボールになるわけではないですよね。
電王戦の結果を踏まえては?PCで訓練したものがそのまま対人間にも使えると考えるのが筋ではありませんかねぇ。
PC対策に何局指した、何時間指したとか言ってるうちは勝てないかもしれませんねぇ




Posted by まさと at 2014年04月16日 22:26

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。