「第2回将棋電王戦」第4局、大熱戦の末、持将棋引き分けに(日本将棋連盟のお知らせ)
コンピューターに猛攻を受けた塚田九段は、ひたすら入玉を目指しました。
しかし詰みからは逃れたものの駒を取られ過ぎて絶望的な状況に。
そこから塚田九段が猛烈に追い上げて駒を回収し、230手という死闘の末、引き分けに持ち込みました。
あの絶望的な状況で諦めずに前を向き、執念で追い詰める姿には迫力がありました。
また終局直後には感極まって言葉に詰まるシーンがありました。
それはいずれも、団体戦を引っ張るという責任感、そして約1年にわたる準備の中で、決して表には見せない努力や葛藤や不安があったからでしょう。
私もさわり程度ですが勉強会等でその様子を見てきたので、感じるところが多くありました。
またそれらを全て生で観ることが出来たのは、ニコニコ生放送の良さが出たとも言えそうです。
冷静な見方では、入玉というコンピューターの弱点をついても、引き分けに持ち込むのが精いっぱいだった、とも言えます。
コンピューターがミスを出し始めたのは最後の最後、点数勝負になってからで、そこまでは複雑化した状況下でも安定した強さを示していました。
あの持将棋直前の姿に本質を見出してはいけないのです。
さて電王戦も今度の土曜日4月20日(土)に最終戦を迎えます。三浦八段ーGPS将棋戦。
対局PV
電王戦公式サイト
人間側の1勝2敗1分で迎える最終戦。
皆さまもどうぞご注目ください。
それではまた
毎週土曜日はPCでニコ生+スマホで棋譜解説とフルに満喫させていただいております。
願わくは我々見るファンにとって極楽ともいえるこの状況が1日も長く続けばと。
本質ですか・・・私は僭越ながら違うように感じております。
やはり将棋ソフトの本質は「評価関数に基づく形勢判断能力」だと思います。
「形勢判断能力が未完成であるために必勝の将棋を引き分けに持ち込まれた」
これこそがPuella αの本質を端的にあらわすエピソードではないでしょうか。
第1〜3戦の結果は伴わなかったとは思いますが、さすがプロって思えました。
1勝2敗1引き分けで負け越しが確定してない形で最終戦を向かえますが、
内容はあれで本当によかったのでしょうか?
勝敗がすべてなのでしょうか?
あの棋譜のどこを見たらプロはすごいと思えるのでしょうか?
第5戦の三浦先生の勝利はもちろんのこと、内容にも期待しています。
第4局の塚田九段対プエラ戦ですが、あれほど素晴らしい戦いは、なかったと思います。
格闘技であれほどの大差を逆転する事はあり得ません。
将棋は格闘技と言われますが、本当に納得させられました。
あの引分は、世界中のあらゆる競技を含め、史上最大の逆転劇だったんじゃあないでしょうか。
大袈裟な、と仰るかも知れませんが、将棋ファンからしたら、そう映ります。
名勝負に名局なし、ならば、人間対人間の熱い戦いで、そこに感動がある。
人間対コンピューターの戦いは、チェスで有りましたが、塚田九段ほどの感動を生まなかった。
ここに将棋と日本人の素晴らしさが表現されていたように思います。
あの将棋を名勝負と呼ばず何がありましょうか。