さて結果は皆さんご存知のように、4勝5敗で6人が並んで、その中で順位下位の深浦八段の降級となりました。深浦八段は数年前にも4勝5敗で降級の憂き目に合っており、不運としか言いようがありません。
その6人の中には佐藤棋聖も混じっており、今思うとラス前の藤井ー佐藤戦で藤井勝ちだったならば佐藤棋聖が降級していた事になります。それだけ大混戦、実力拮抗のリーグと言えます。
名人戦は4月10日から。森内名人と郷田九段の組み合わせはとても新鮮で、個人的にも非常に興味があります。
さて昨日のエントリで予想を書いたのですが、その結果を検証してみたいと思います。
▲丸山ー△郷田・・・角換わり同型。先日先手に優秀な新手が出た形。後手の工夫が試されます。名人戦でも同じ形が出てくる可能性があるので、そういう面でも注目されます
先日出た新手より更に優秀な新手が出たようです。この形の決定版になるかもしれません。後手の郷田九段としては、名人戦で1敗分を免れたともいえます。
▲藤井ー△谷川・・・先手三間から石田流に。そして相穴熊へと。お互いに堅陣ですが、ここは意外と早く終わるかもしれません。
大外れ。決戦になってしまえば決着がつくのは早い、と思っていたのですが、決戦になるのがとてつもなく遅かった。谷川九段の快勝譜でした。
▲羽生ー△三浦・・・意表をついて先手の羽生三冠の石田流。後手は棒金から押さえ込む方針です。初戦の深浦ー三浦戦も似た形で、その時は先手石田流の深浦八段の勝ちでした。個人的には非常に興味のある形です。
後手持ちの局面が長かったと思いますが、ある一時を境に突然羽生勝勢に。この形はとにかく居飛車が勝ちにくいとされていますが、それがもろに出る結果に。ただ先手も仕掛けの辺りは上手く指したとは言いにくいと思います。
▲久保ー△佐藤・・・相振り飛車。先手が8筋後手が3筋に飛を構える形に。後手が一直線に穴熊に組みに行きました。しかし先手が上手く隙をついたと思います。このまま上手く指せば先手が作戦勝ちになるでしょう。
先手が隙をついたのですが、その後上手く指せず、決戦になった辺りでは後手有利。しかし佐藤棋聖の棋風とはマッチしていない展開で、受け損なってしまいました。久保八段は執念の勝利。後半3連勝での残留はカッコ良いの一言です。「あの」郷田戦以来、何かに火がついたかのように勝ちまくっての残留となりました。勝負強さは天下一品ですね。
▲阿部ー△深浦・・・恐らく本日一番注目の一戦。先手の石田流。後手は銀冠から穴熊へ組みかえ更に固くしていきます。ここが一番遅くなる気がします。実際まだまだ駒組みが終わりそうにありません。
まさかここが一番早く終わるとは・・・ 戦いが始まって一瞬で勝負がついてしまいました。個人的には序盤の駒の配置で既に三間飛車側がまずくなっていた、と感じました。まぁ専門的すぎますが。
皆さん楽しんでいただけたでしょうか。挑戦降級一人が決まった中でも、やはり最高峰の戦いは面白いと感じました。
その他詳しい内容は来週発売の週刊将棋、将棋世界5月号、毎日新聞観戦記でお楽しみください。
それではまた
ラベル:将棋
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このブログのおかげでより一層楽しむことができました。
ありがとうございます。
(大ハズレ予想があったのも一因ですね^^)
ものすごい世界ですが、これも棋士の業のなせるわざ。
遠山さんも頂を目指して是非是非頑張ってください。
これからも頑張りますのでよろしくお願いします。
七色仮面さん>本当ですね(苦笑)