第2回電王戦1 〜全対局と観戦方法について〜
第2回電王戦2 〜プロ棋士とコンピューター将棋の接点〜
第2回電王戦3 〜コンピューター将棋が私より優れる点、劣る点〜
第2回電王戦4 〜本番の対局について〜
今回が連載の最終回。6以降は電王戦が終了した後に書きたいことがあれば加えていこうと思います。
電王戦はドワンゴ社に主催いただいています。
かっこいいPVを作るなど盛り上げに尽力いただき、新たなファンの取りこみに効果がありそうです。
社長の川上さんは先日の羽生三冠との対談で
ニコニコ動画の3大コンテンツは、アニメ・政治・将棋
という趣旨のご発言をされていて、将棋に対するご理解を感じて嬉しかったです。
ちなみにお隣囲碁界には電聖戦が誕生し、3月20日(祝)にその第1回が行われます。
第1回『電聖戦』開催のお知らせ
こうした対戦形式も勿論面白いですが、このまま勝ち負けを争って終わるのはもったいないとも思います。
将棋はただのゲームではなく、相手とのコミュニケーションツールでもあります。
コンピューター将棋とも、どこかのタイミングで手を携えていきたいです。
コンピューター将棋が力を発揮するのは、多くの人へ将棋を学んでもらう環境作りに於いてだと考えています。
現在はプロ棋士女流棋士含め約200名程度。既存のファンを満足させるにはギリギリ足りていると思いますが、もっと裾野を広げようという時には不足しています。
特に世界への普及を考えれば、言語の問題も容易に越えられるのでコンピューターの力を借りるのは非常に有力な手段です。
コンピューター将棋には相応の実力があるので、適切なアドバイスを出すことは現状でもある程度出来ます。
将棋を覚えるカリキュラムを載せ、強さを加減することで初心者のよき対戦相手にもなれば、将棋を覚えるのがとても楽になります。
これがアプリでスマートフォン・タブレットに搭載できたり、WEBで手軽にできるようになれば、普及の一つの起爆剤となるでしょう。
指導方法の蓄積は既に将棋連盟が持っているので、その点は問題ありません。
プロ棋士と才能豊かな開発者が手を組めば、いいものが出来そうでワクワクします。
あとは将棋連盟側とコンピューター将棋側が同じ目的意識を持てるかどうかにかかるでしょう。
出場棋士や開発者側からも、記者会見等でこういう意識を持っていることを感じられるシーンがありました。
土壌はすでにあるので、あとは実現に向けて進められるか、という段階だと思います。
人間とコンピューターは主従関係にあるのではなく、共に生きる存在です。
互いが相互の長所を取り入れるようになる時、それは様々な夢が現実となる未来です。
夢のある未来は、人の心を惹きつけます。
私としてはそういう未来を目指し、将棋という枠の中で少しずつ歩みを進めていきます。
毎回長文となってしまいましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
さらにコンピューター将棋をについて知りたい、という方は下記リンク先をどうぞ。
第2回将棋電王戦(詰将棋メモ)
それでは23日(土)から始まる第2回電王戦をどうぞお楽しみください。
それではまた
適切な弱さを実現したり、駒落ち対応されている指導用ソフトの開発だったりするのかもしれませんね
今はどうしても読みの深さでの調整が多く、レベルを落とすと不自然な手が増えてしまうように思います
良い関係を築いていけると良いですよね
蓋を開けてのお楽しみですね。
ところで、ドワンゴ社の川上社長が「ニコニコ動画の3大コンテンツは、アニメ・政治・将棋」と仰っているとのことで素晴らしいですね。
個人的にも、ニコ生でのライブストリーミング解説が始まってから、タイトル戦がとても身近に感じられるようになりました。自宅で大盤解説会を見られるというのは、形容が難しいほど画期的なことです。
もちろん、現地で行われる大盤解説では、「ここだけの話」がいろいろと披露され、棋士や女流棋士の先生方の姿をじかに拝見でき、様々なファンサービスが行われるるなど「現地ならでは」の楽しみが多く、近くで開催される場合は積極的に行くようにはしております。こういう催しに行くと、連盟の普及努力を肌で感じ、頭が下がります。
ところで、先日の「将棋界の一番長い日」のニコ生ライブストリーミング解説で、私は、長岡裕也先生の名解説に感嘆しました。ネットでも長岡先生を讃える声が多くありました。長岡先生は「解説者」としての適性がとても高い方ですね。今後も、長岡先生にたくさん出演して頂きたいです。
また、ニコ生では、たまに「解説者一人だけ」でライブストリーミング中継を行う場合があります。正直、見ているのが辛いほど寂しく、将棋を良く分かっている女流棋士が務める「聞き手」の役割が実に大きいと言うことを改めて感じます。
経費の問題などいろいろあるのでしょうが、ニコ生のライブストリーミング中継では「解説者+聞き手」の形はなるべく崩さないようにして頂ければと思います。
ともあれ、ライブストリーミング中継で長時間に渡って解説して下さる棋士・女流棋士の先生方にはいつも感謝しております。昼休みの詰将棋も欠かさず応募しております。もちろん、プレミアム会員に登録して大画面で見ております。