これと、梅田望夫さんのブログの「新聞社の将棋担当者への提言: ネット上に長い観戦記を」という記事を参照してください。
この梅田さんの記事に神崎七段がコメントを寄せていて、そこで梅田さんとのやりとりが公開されている。神崎七段はご自身のHPで観戦記の掲載情報を載せており、棋士の中では観戦記に関して「詳しい」事は間違い無い。
やりとりは非常に面白いものでした。その中でも神崎七段のコメントで印象に残ったのは
まじめに「将棋の魅力」を伝えるために、棋士や連盟も読者やファンのことをもっと真剣に考える必要はあると、いつも思っています。
という事。
さてもう一つ関連した話。
梅田さんの記事に反応し、片上五段も自身のブログに記事を出しました。そしてその中で片上五段も
僕自身は、棋士の側こそ「将棋の魅力」を伝える(または、伝えてもらう)ことに、もっと真剣になるべきだと思っています。大事なことだと思うのですが、関心は総じて低いような気がします。
同じような事を言っていました。皆思いは一緒です。
そして更にもう一つ面白い話が。
僕はデビュー以来自分の将棋の観戦記にはすべて目を通しているはずですが、たぶん少数派ではないかと思います。特に同世代の若手棋士には、まずは現状を知ることから初めてほしいですね
こういう意見は初めて見ました。片上五段自身はよく言っていますが、他の人ではあまり聞いた事がありません。
実際私も目を通していない物が結構あります。読むのは、ゲラを見る、という事で目を通すのと、実家で宅配される新聞で読む程度。
ただ、観戦記のやむを得ないところなのですが、対局時期と掲載時期がかけ離れている物が結構多いので、掲載時期を忘れてしまうという事が多いのです。私自身はブログでお知らせをしている分覚えている事も多いのですが、それでも読んでいないのもあります。
指した当人ですらそうなのですから、仮にファンの方に「この間の将棋が○○新聞に載ります」とお伝えしても、まず間違いなく忘れられてしまうでしょう。
そのためにも、神崎七段がHPで行っている観戦記のお知らせを、しっかりと将棋連盟のHPで組織立って行うべきである。なかなか実現出来ない事でもあるのだが。
ちなみに片上五段は記事の最後で
観戦記については、思うことがたくさんあるので、いずれ改めてopinionでとりあげたいと思っています。
と書いています。こういう話は「鉄は熱いうちに打て」と一緒なので、早めのアップを熱望します。
またその記事に梅田さんご本人がコメントを寄せています。それも良かったら合わせて読んで下さい。こちら
梅田さんの主張としては、観戦記だと新聞上の制約(文字数・記事スペース)があるのでどうしても将棋の内容が分かりづらい。そこでネット上でもっと文字数を増やしじっくり解説をすべきではないか、という事であります。
そしてブログの記事では最後に
せっかく巨額の契約金を支払って将棋タイトル戦を主催している以上、もう少しまじめに「将棋の魅力」を伝えることに、新聞社は真剣になるべきなのである。
というコメントで締められていた。しかしこれは
せっかく巨額の契約金をいただいて将棋タイトル戦を指している以上、もう少しまじめに「将棋の魅力」を伝えることに、棋士(将棋連盟)は真剣になるべきなのである。
こういう風にも言い換えられる。
私が今一番大切だと思う事は、双方共今よりもっと「将棋の魅力」を伝える事に真剣になる事だと思います。
まずそこを見直してから、観戦記を紙上とネットで両立していく事を考えても遅くないと感じます。
私の立場からすれば、まずは自分自身がもっと意識を強く持つべきですね。
プロである、記者の方のご意見も是非聞かせていただきたいものです。
また、梅田さんがご自身のブログのコメントの中で『(観戦記について)いずれまとめて提言を書くつもり』とおっしゃっているので、そちらも注目です。
ここ最近横になっている事が多かったので、「ウェブ人間論
それではまた
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将棋の観戦記をブログで配信するアイデアは実現が難しいわけではないと感じます。
いち早く対戦後に観戦記をブログで読める。詳細な解説は専門誌に任せるとして、対戦の熱気を伝えるにはネットが適役。ネットを利用しない人には新聞、週刊誌。
構造的にはマスコミの再編になりますが、是非早期の実現を期待します。
しかしデイリー紙さんにメイショウ杯が出ているとは驚きました。全く知りませんでした。
いしのひげさん>「将棋の観戦記をブログで配信するアイデアは実現が難しいわけではない」
実現は難しくなく、私も行っている事です。ただ現在の「システム」ではあまり大々的には出来ないと思います。
しかし速報性というネットの良さを活かさない手はありませんので、色々と働きかけをしていきたいと思っております。