早めに家に帰り、順位戦の中継を観戦。
まず加藤九段の将棋が終わっていてビックリ。そして注目の羽生ー藤井戦が昼に見た時と全然違う将棋になっていてまたビックリ。
加藤九段の将棋は、相手の小野八段の指しまわしが巧妙で、最後も素早い寄せ。加藤九段の連勝がストップしました。
羽生ー藤井九段戦は千日手指し直しになっていました。
それにしてもすごい局数。なにしろ計18局。局数が多すぎてもて余し気味という贅沢な悩みすら覚えます。
どの将棋もじりじり。さくっと終わる将棋は一局も無く、どの将棋もじりじり。果てる事の無い戦いは続きます。これぞ順位戦。
そんな中、1局、また1局と終わっていく。
A級の丸山ー阿部戦は阿部八段の快勝。丸山九段が先手の角換わり(一手損ではなく普通の)でこんな風に負けたのをあまり見た事がありません。
そして1時を過ぎ、残ったのは千日手指し直しの羽生ー藤井戦と、先崎ー屋敷戦。
この2局。名人戦棋譜中継にご加入されている方は是非並べてみてください。素晴らしい、そして凄まじい将棋でした。
先崎ー屋敷戦は、ずっとずっと先崎八段が有利だと思っていましたが、なかなかリードが広がらず、いつしか混戦に。そして激戦は果てしなく続き、途中、屋敷九段の駒台に金銀8枚が全て乗るという、見た事の無い現象が発生。
私の見た目では、その瞬間に必至をかければ先崎八段の勝ちだったような気がしますが、いかんせん金銀8枚の威力で詰みがあっても不思議無い場面。先崎八段はそこで違う手を指す。これも良さそうな手だったのですが、そこで屋敷九段が凄まじい返し技。
どうもこれで流れが変わり、屋敷九段が大熱戦を制しました。
迫力満点のすごい将棋でした。
そして残った最後の羽生ー藤井戦。これがまたすごい将棋。仕掛けのあたりで羽生三冠が失敗し、藤井九段優勢で終盤へ。羽生三冠は中盤くらいから秒に追われながら延々指しています。
藤井九段とすれば、それこそ後一押しで投了に追い込めそうな局面が続くのですが、どうしても後一歩が出ない。羽生三冠としては、完封負け寸前で踏みとどまり、なんとかチャンスを、というところ。
その駆け引きは延々続く。途中、羽生三冠が貴重な金を全くのそっぽに打った時は、さすがにこの将棋は逆転しないだろうと思った。時間も遅く、寝ようかな、という気持ちもよぎった。
ところが藤井九段にわずかな隙が出て、羽生三冠が見事にその隙をつき混戦に。厳密にはまだ藤井九段の方が有利だったと思いますが、流れも悪く、羽生三冠の迫力は凄まじい。
藤井九段といえども持ちこたえられなくなり、2:30頃、遂に逆転。逆転してからは羽生三冠がすばやい寄せで終局。
久しぶりにここまでの逆転を見ましたし、改めて羽生三冠の凄さを感じました。その終盤力、その逆転術は恐るべし。
将棋の面白さ、順位戦の面白さを堪能した一日。3時まで起きて観ていた甲斐がありました。
名人戦棋譜中継に加入していなくて観られない、という方、今すぐ入会してください!という位感動しました。
来週発売の週刊将棋にも記事が載るでしょう。竜王戦の記事もありますし、是非お買い求めください!
それではまた
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棋譜を暗記して、今日あった将棋の集まりで仲間に解説してしまいました 笑
それから、『ウェブ人間論』をさっそく買いました。
じっくり読んでみます。
翌日結果を確認して、えーっ、と叫んでしまいました。
阿部さんとの将棋も大逆転でしたが、ほんとにちょっとまね出来ない終盤術ですね。
そのうち、劣勢の将棋をひっくり返す、というテーマで本ができそうです。
gamさん>確かに阿部戦も凄く、比較に困りますね。その終盤術は真似できないものなので、本にはしづらいかもしれませんね。