2006年12月05日

将棋世界1月号

 家でのんびりしていたため、気合いを入れて将棋世界にとりかかる。 
 今月号の特集は「名人戦問題」。64ページをかけた特集は読み応えがあります。

 さて率直な感想を。

 まず、これはこの時期に出す必要があったのか、という事。まだ交渉中なのでもう少し待ってからでも良かったのでは。もしくは同時進行的に出すべきではなかったのか、と感じた。

 内容は、良くも悪くもかなりの部分で本当の事を書いていると思います。私は「公開」していくという事には原則賛成で、今回の事もこうして公開していくのは良い事だと思います。振り返ってみると、私たちも苦しんだが、理事会の先生方の苦しみは想像を絶する程だったんだな、という事も改めて実感しました。

 ただ、引っ掛かる所が多い事も否めない。その引っ掛かりの原因がどこにあるかは色々なのだが。

 一つ身近なところに疑問が。棋士の寄稿の中で、とても本人が書いたとは思えない物が混じっていた。それでも本人が書いたのだろうか。それともやや手が加えられているのだろうか。その事で本人の思惑と違う取られ方をするのは本意ではないと思うのだが。

 この特集に関しては、これを読んだ読者の方、将棋ファンの方の評価が全てだと思うので、それを待ちたいと思います。

 私個人としては、もう少し要点をかいつまんだ特集にし、他の読み物を削って将棋世界の楽しさを減らす事はやらなくても良かったかな、と思います。


 今日寂しいニュースを読みました。男子ゴルフツアー、来季は5試合消滅

 決して対岸の火事では無いと思います。

 今回の騒動も、最終的には歴史が判断する事だとは思いますが、最悪の場合このニュースのようになるのではないかと危惧しています。
 女子ゴルフの人気がうなぎ登りなのに対し男子ゴルフは斜陽。将棋界はそうはならないよう、双方が良い協力関係でかつ良い競争関係を築いていかなくてはいけません。

 良い協力関係といえば、新聞社さんともそうですね。
 将棋界は、今まで以上に新聞社さんに協力していかないといけない、と私は考えています。

 今日はA級順位戦の郷田九段ー久保八段戦が行われています。中継は名人戦棋譜速報で。
 明日からは竜王戦の第5局ですね。楽しみです。


 それではまた
ラベル:将棋
posted by 遠山雄亮 at 12:30| Comment(18) | TrackBack(0) | 将棋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
確かに時期的に中途半端にも感じられます。
しかし内容を読むと、なるほどこの時期でもいいのかなと思ったりします。
主催者側(新聞社)にもある意味影響を及ぼす効果があるのではと考えます。
意見を述べている一部の棋士の記事は旨すぎるきらいがあり、本心からのものではないように感じます。(私自身はこの記事はなくても良かったと思います)

また、名人戦問題とは違うのですが、女流棋士の独立ということになれば、連盟にとって逆効果もあり得るのではと危惧いたします。

まだまだ非常に難しい立場にある連盟ですが、その母体となっている棋士方々の結束力と努力に期待致します。
Posted by K.O at 2006年12月05日 17:56
確かに時期的に中途半端にも感じられます。
しかし内容を読むと、なるほどこの時期でもいいのかなと思ったりします。
主催者側(新聞社)にもある意味影響を及ぼす効果があるのではと考えます。
意見を述べている一部の棋士の記事は旨すぎるきらいがあり、本心からのものではないように感じます。(私自身はこの記事はなくても良かったと思います)

また、名人戦問題とは違うのですが、女流棋士の独立ということになれば、連盟にとって逆効果もあり得るのではと危惧いたします。

まだまだ非常に難しい立場にある連盟ですが、その母体となっている棋士方々の結束力と努力に期待致します。
Posted by K.O at 2006年12月05日 17:57
今回の将棋世界の特集について簡単に一言。
確かに誌面割きすぎの嫌いはあったものの、連盟が自らの責任に於いて(←ここ重要)一つの見解・見識を表明するのは悪くないと思う。少なくとも一部棋士が週刊誌を使って理事会攻撃をしたことと比較すれば遥かにましである。
ただ、このタイミングで特集を組んだのは正直疑問に感じる。谷川九段が述べていたように、まだ問題は終結していない。この拙速さは非難されても致し方あるまい。
Posted by 奥山紅市 at 2006年12月05日 17:57
将棋世界の名人戦特集は私も1ファンとして遠山四段と同じ感想です。
ファンとしては名人戦・順位戦がより面白くなるなら歓迎しますが、主催新聞社がどう変わろうなんてどうでもいい。従って名人戦問題は白けて見ていました。そんな私はクドクドと64頁も書かれたって読む気がしませんし、実際途中で嫌になり読んでいません。将棋世界を一年間定期購読している者としては「金返せ」という気分です。理事会が読めと押しつけるような記事は無料の増刊号か別冊にして欲しい。
また自由身分の棋士は嫌なら勝手にやめたりすれば良いが、会社人である新聞社に所属するの人間はそうはいかない。内部で問題があったとされれば懲戒、左遷あるいは将来の昇進を無くす目に遭うのです。当然反発が起きて現在の交渉に悪い影響を及ぼすでしょう。内部事情を公開するのは誰も傷つかなくなった10年後ぐらいです。交渉事は妥協せねばならないことが常で、情報が漏れれば往々にして対立を増幅させあるいは味方だった人を失うことになる。何でも公開が正しいということは有りません。最後に今月号は表紙も駄目ですね。私は定期購読ですが書店で買う人は見つけられないで買わないかもしれません。
Posted by エバグリン at 2006年12月05日 18:15
将棋世界についていろいろと論議を呼ぶでしょう。しかし、真実を書くということ、そして次世代に残す貴重な証言?の数々を大事にしたいと思います。もし、真実を捻じ曲げて作られたとしたら、後々の汚名となるでしょう。
そのことから、一部編集もあるかも知れませんが”証言”は正しいと思います。
理事会が一つになり、普及に全力を注ぐことには皆さんも歓迎するところと思います。
また、時期については新年早々に方向を世間・愛好家にはっきりするため、光速の寄せで煮詰めていくことを願う?理事会に賛成です。
どうか三社が歩み寄り、伝統文化の発展を切に望みます。
Posted by 房総の住人 at 2006年12月05日 21:48
よくこういう問題で「ファンはこういうものを望んでいない」「ファン不在だ」というような意見が出てきますが、世の中においてこういった「ファンの声」ほどアテにならないものはありません。
今回の名人戦騒動でも同じでしょう。概ねこれで良いと思ってる人間は特に声を上げることもないですが、某か気に入らないことがある人間は声高に同じことを何度も叫びます。
私自身この騒動は「どのような結末になろうが最終的に責を負うのは棋士全員」という認識しか持っていないので、特に何も言うことはありませんが、そういった「外野の声」で棋士が右往左往するのは実にみっともなく、また淋しく感じます。
Posted by T at 2006年12月05日 21:54
確かに17歳の青年が書いた文書とは思えませんね。
この特集記事は、将棋で言うと、打ち歩詰めみたいなもんじゃないでしょうか。棋士の皆さんが、どんな対応をとるのか、まわりは注目していると思いますよ。
Posted by ゆきお at 2006年12月05日 23:41
まさか他人が書いた文章を棋士のコメントとして載せたりはしないでしょう。
遠山先生も問題に疲れ、疑心に煩わされましたか。

率直に言って、月刊誌を楽しみにしている読者としては、名人戦問題はまったく読む価値がありませんでした。私は将棋は好きですが、将棋連盟の会員ではないし、基礎知識がありませんからわからないことばかりです。解説を200ページはつけていただかないと。
プロ棋士の方はこの記事、完全に理解できるんですか?

悪漢伝説は面白かったし、行方先崎対談も楽しめただけに、腹立たしいばかり。
Posted by いしのひげ at 2006年12月06日 00:26
そういやとある雑誌で昔のタイトル戦について
片八百長があったかのようなことを書いた
観戦記で有名な棋士(現在引退)が米長専務理事
(当時)から呼び出されて厳しく叱責された
ことがありましたね。
米長先生のさわやか日記にそんなことが
書いてありましたっけ

さて、どうなりますかな
Posted by くまさん at 2006年12月06日 07:16
いろいろな読者層がいますから、ドドーンと64ページの大作を読んでお腹いっぱい満足、っていう人もいるでしょうきっと。なので、こういう企画があってもいいなとは思います。

遠山先生は、将棋世界寄稿文にもありました『加藤一二三全局集』の発行にご賛同いただければそれでよろしいかと(笑)
Posted by なのこえ at 2006年12月06日 10:11
「まだ、決着していない事を書くのはどうか?」と、個人的に思ってしまいました…。
Posted by 一酔斎 at 2006年12月06日 12:23
美空ひばりだけ、いっしょに歌ったゾイ、
歌でも歌いたくなる会長の気持ちはわかる。
Posted by 竜のヒゲ at 2006年12月06日 15:42
初めて将棋世界を買って読みました。スポンサーが変わる事がなんでこんなに大騒ぎになるのか私には理解できませんでした。他のプロの世界なら日常茶飯事の事なのでは?
読んで理解できた事もいくつか。
・名人戦は取り合いになるくらい価値がある。
・プロ棋士達は他業界のプロ選手が持っていない権利を持っている。(運営権や投票権)
・糸谷君は変わり者だ。
・遠山さんはクイズになるくらいの新手を開発した。

どんな事であれプロの世界は注目されてナンボ。
ファンを楽しませてナンボ。名人戦が今よりも楽しめればそれで構いません。またこういう騒動も含めてプロ将棋ファンになって良かったな。と。
Posted by サッカー&将棋ファン at 2006年12月06日 16:38
毎月将棋世界は購入してますが、今月の内容は少不満が残りました
 というのも、私はタイトル戦の棋譜の自戦記や詳細な解説など、ネット中継では知れない情報を仕入れたり、詰め将棋などを楽しみに将棋世界を購入してますもので・・
 確かに名人戦問題は今後の将棋界にとって大変重要な問題でもあるので仕方ないのは分かってますが、でも、竜王戦はもっと充実した内容がほしかったです^^;
 せめて付録ぐらいはコアな詰め将棋をつけてくれたりしたら納得できたのですが・・
 でも、名人戦問題はワイドショーなどでも取り上げられてますし、将棋を知らない人の関心も高いはずですから、今回の名人戦問題の真実や悪漢列伝、センター試験などはそれらの人々にも十分将棋界の魅力を伝えられたと思います。
 
Posted by yuta at 2006年12月06日 17:58
インターネットは広い意見が聞けるといっても実際のところは一部の意見でしかないことが往々にあると思います。特に掲示板やコメント欄に書き込む人というのは、そのサイトを見ている人の一部でしかないでしょうし、↑で「T」さんがおっしゃっているように、声高に意見表明するのは現在の流れに反対の人が多いでしょうから。ですから連盟としての説明責任を果たす上で、今回の特集は意義があるものと思います。インターネットや雑誌にとらわれず、色んな媒体を使って連盟とファンが双方向のやり取りができる環境を望みます。ただし、賛成も反対も冷静に論議できる場を・・・変わろうとすることがそんなに悪いんでしょうか?変わらないことがそんなに悪いんでしょうか?ようはバランスの問題だと思います。
Posted by SUN at 2006年12月06日 22:41
私は興味ないですねぇ・・・
だって情報が正しいかどうか、確かめようがないんですもの。(^^;責任を負うのは棋士ですし、棋士を信じるしかないと思います。
ただ嫌なのは、米長会長と連盟の批判をごっちゃにしてくる方々ですね。まぁ酒のつまみにちょうど良かったんでしょう。
ワンダフル関西と伊緒の振り飛車レッスンがなくなっていたので買うのもやめようかな〜と思ったんですが、糸谷四段のインタビューがあったので買ってしまいました。せめて付録に名人戦問題を持ってくるとかにして欲しかったですね。。私が読んだのは棋士のコメントだけですし・・・
今回は一部を立ち読みできるんですね。他の読み物もやったらいいのになぁ・・・と思いました。
http://www.shogi.or.jp/syuppan/200701_sekai.html

遠山先生の今回の記事は、情報を混乱させるだけでは?自分の正直な気持ちを伝えたいという物だと思いますが、証拠がなければ・・・と思います。
Posted by じゃがりんぽ at 2006年12月07日 09:52
>若い渡辺明、瀬川晶司、中村太地の3人も本音
>を良く書いてくれた。
>原稿を頼みづらかったろうし書きづらかった
>ろうとも思いました。
>原稿を断った人、当たり障りのないことを
>書く人、神のお使いの人、いろいろです。
>当人の書いた原稿は一字一句修正はありません。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

だそうですよ
Posted by くまさん at 2006年12月09日 19:39
コメントいただいた皆様へ

このたびは沢山のご意見いただき、本当にありがとうございます。
一つ一つのコメントにレスをつける事を今回はいたしませんが、皆様のコメント、どれも興味深く拝見いたしました。

どうにも名人戦問題にまつわる話は複雑になりやすいですね。まずは来期の名人戦がどうなるか、スッキリとした形で決まって欲しいものです。
Posted by よんだん at 2006年12月11日 15:35
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック