2006年11月03日

昨日の続き

 渡辺竜王のブログは凄かったですね。負けてもあれだけしっかり解説を書くというのはなかなか出来ない事。しかもかなり悔しい逆転負けだったのですから。
 読んでいただいているファンの方の事をしっかり考えているのだな、と感心しました。

 そこで私の記事の事も取り上げられていました。93手目▲65銀左のところで、94手目に△57飛成と飛び込んだのですが

竜王戦@.gif

 それに代えて△76歩と打てば後手が良いのではないか、と書いた事です。
 これに対し竜王のブログによると、「▲5四銀△7七歩成▲同金△5四金▲7四歩△同銀▲7二銀成△同金▲7三歩で先手勝ちそうというのが共通の読み筋でした。」との事。これが第2図

竜王戦A.gif

 この局面を関東でも検討していて後手が有利ではないか、と言っていたのです。以下△同桂▲31飛△44馬で、後手が有利ではないか、と。

 対局者と検討陣では思いが違うので見解がずれる事はよくあるのですが、これほど極端なのは珍しい。
 
 対局者は竜王と棋聖なんだから・・・ という声が聞こえてきそうですが、検討陣の方が冷静に局面を見ている、という事もあります。

 何を言いたいかというと、それだけ難しい将棋だった、という事。そして素晴らしい将棋でした。
 渡辺竜王の「棋士人生最高の熱戦と言っても過言ではない一局でした」という言葉は本音でしょう。残念な負けですが、切り替えて次に全力を注いでいただきたいと思います。

 今回から図面を作る形態を変えてみました。いかがでしょうか?


 それではまた
ラベル:将棋 竜王戦
posted by 遠山雄亮 at 14:29| Comment(7) | TrackBack(0) | 将棋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
△7六歩は全然浮かびませんでした。△8四飛と一旦逃げるかと思いましたが・・・。
以下▲5四銀〜▲7三歩の展開後ですが、その後△同桂に▲8一金!△同玉▲3一飛△7一銀▲3四飛成も考えられます。△5三歩と受けてどちらがいいでしょうかね?
Posted by K.O at 2006年11月03日 16:50
私は前の方が文字の色が濃くて、見やすいかもしれません。
うーん、どうでしょうね。31飛車?44馬。そこで次の手が難しそうですね。81金〜91金を間にあわせるか、24飛車か。でも飛車が走ると守りが薄くなるから変ですかねぇ。。難しい・・・渡辺竜王がここにコメントしてくれたら面白いんですがw
「今日の負けは熱い!もう一番!」という竜王の言葉。非常にいい言葉でした。

渡辺竜王もファンの事を非常に考えられていますね。ブログもそうですし、ずばっとはっきり言うなど好感が持てます。今後の将棋界に大きく期待です。竜王戦、まだまだこれからです!
Posted by じゃがりんぽ at 2006年11月03日 16:59
おおっ!食いついていますね(笑)
次の対局での食いつきにも期待します。(笑)

うーん・・・よくよく見て考えるとやっぱしなんとなく後手指せるような気がしますね(笑)
実戦的には8一金が気持悪かったのでしょうか・・・
しかし馬が攻防にしかも7一の底歩もありますし、(笑)駒がないと意外に後手玉は安全ですか。
香を取っていたのでは
6五歩と銀を殺されるぐらいでも先手困りますか。

こうなったら、森内名人、羽生三冠、谷川九段、藤井九段にもお伺いしたいですね。(笑)
例のコーナーで取り上げてもらえるように遠山四段の方から根回しお願いします(笑)
Posted by 駒落ち好き at 2006年11月03日 22:43
初めてコメントします。図面は見やすくなったと思います。確かに対局しないであーだこーだならプロでもアマでもレベルに応じて言えます。ただし難しいとか残念だと言えば言う程、竜王の将棋を本質的な部分から捉える事からは遠のくだけかもしれません。堪える負け方は、案外こんな所から実は始まります。大山名人の前に、そして中原(尊敬できないので敬称は略す)の前に多くの挑戦者が、自分の弱点を気づかされないままに棋士生命を終えているのです。勝ち負けの勝負とはそんなものでしょうね。
Posted by 垂れ歩 at 2006年11月04日 00:43
遠山先生の丁寧な解説に「図面付き」だと、より理解がし易くなるので、個人的には『大歓迎』です。

Posted by 一酔斎 at 2006年11月04日 09:40
K.Oさん>飛を逃げるのでは辛いと思います。
△53歩と受けて後手が指せると私は考えます。

じゃがりんぽさん>私もやはり同じブロガーとして、またファンの方の事を良く考えている事もあり、渡辺竜王に肩入れしたくなってしまいます。

駒落ち好きさん>△44馬が攻防で△85桂と跳ぶのが絶好の味になりそうです。はっきり後手が良いとは思いませんが、少し良いような気がします。
確かに他の棋士にも意見を聞いてみたいです。
Posted by よんだん at 2006年11月04日 13:43
垂れ歩さん>コメントありがとうございます。あーだこーだ言いたくなるくらい良い将棋だった、という見方も出来ると思います!
これからもよろしくお願いします。

一酔斎さん>これからもなるべく図面を出して解説していきたいと思っています。
Posted by よんだん at 2006年11月04日 13:46
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