2006年09月18日

羽生王座、そして

 昨日の続き。打ち上げで羽生王座と隣になり、色々とお話が出来た。
 こうしてお話させていただくのは何回目かは分からないが、いつどんな話をしても新鮮で面白い。

 羽生王座は、その頭の回転の速さから、会話が難解な事も度々。ちゃんと考えながら話さないと絶対についていけないので、こちらも自然と真剣な姿勢になる。
 真剣に話していてもついていけない事もあり、そういう時は素直な私(?)は素直に聞く。すると必ず分からない人に分かるような、分かりやすい解説をしていただける。
 こういう会話が出来る方は、私は26年間生きてきて、数えるほどしか知りません。
 こういう事を考えると、やはり羽生王座は将棋界の枠をはみ出している、と思うのです。

 その羽生王座との共通の知り合い(かなりおこがましいですが、他に表現方法が分かりませんでした)である、「梅田望夫」さんの 話題にも随分なりました。
 この方は、「ウェブ進化論」の作者、というのが今一番分かりやすい表現でしょうか。実際の肩書きは色々あって、どれを言うべきなのか分かりません(苦笑)
 
 リンクにもつけたブログの話になり、そこに1時間ほどの動画が貼ってあったので、その話をすると、羽生王座も観た、との事。で、その事について随分とお話が出来ました。
 その動画の中で梅田さんが「本を出してからネット上で1万人位のレビューを読んだ」というお話をされていました。一般の人達の生の反応を知るためにはそれが一番だ、という事でされているそうです。

 という話がありましたね、と羽生王座にすると
 「長年本の編集をしていた人はそれを聞いて実践してみて、『仕事をしていて初めて本当の意味に近い読者の声が聞けた』って言っていたらしいよ」という話が返ってきました。
 ふーん、と思うだけでなく、それを発展する話を持っている、こんなところにも羽生王座の凄さがあると思います。

 そしてこの「ネット上のレビューを読む」という行為は今の時代にピッタリの「反応探索」なのだと思います。
 ブログが乱立し、mixiを代表するsnsサービスで表現をする人数が莫大に増え、そしてその中で「検索」が容易に出来るわけですから、いくらでも「反応探索」をする事が出来るわけです。
 ただそれをするかしないか、そこからが本当に実力を分けるところなのでしょう。私もそのへんはまだまだ甘すぎるし、ネットを全く使いこなせていません。。
 やはり高い意識をしっかり持っていないと、こういった事にまで頭が回りません。反省しないといけませんね。

 まだまだ書きたい事はあるのですが、あまりにも長くなってしまうので、続きはまた明日。ネットの話、そして「梅田」さんの話を書きたいと思います。

 昨日の白瀧あゆみ杯は上田女流の大逆転勝ちでした。加藤桃子さんにとっては非常に残念な結果でしたが、その実力は完全に証明されましたね。
 詳細は 中継ページ で
 こちらはスポンサーである 白瀧呉服店 のページです。


 それではまた
posted by 遠山雄亮 at 17:49| Comment(5) | TrackBack(0) | 長考 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
catfrogさん>失礼しました。訂正し、削除いたします。
Posted by よんだん at 2006年09月18日 20:18
遠山さま:力作記事の掲示、お疲れ様です
 上記記事の中段にあります表現

> 本を出してからネット上で1万人位のレビューを読んだ

ですが、これは(保証は出来ませんが)本当でしょう、多分。
 余り実例としては多くないのですが、現代の日本社会の中で、お金と時間に恵まれているだけでなく、ネットの威力を知悉した上で、広範且つ詳細な検索に励む人々がいます。かなり細かいマイナーな領域まで巡回検索するだけでなく、せっせと情報の提供を自身のHPにて呼びかけている人々(例:某国立大学の教授(政治学専攻))も居ます。
 ですから、梅田氏の「1万人」とは、決して誇張でもなければ、稀有な数字とも思えません。
 要は、目的意識を明確にし目標を確定した上で、努力を惜しまない姿勢が肝心なのではないか----と推測しております。お元気で。Yozakura


Posted by Yozakura at 2006年09月19日 14:46
Yozakuraさん>こちらこそ力作コメント、ありがとうございます。
ネットの威力を把握したうえで、そしてそれを使いこなすのが、これからの時代には必要な事である、という思いを強く持っております。
『目的意識を明確にし目標を確定した上で、努力を惜しまない姿勢が肝心』という言葉は、私も同じ思いを持っております。その姿勢はどんな事にもあてはまりますね。
Posted by よんだん at 2006年09月20日 00:16
七月の後半に行われた上智大学の羽生善治王座の講演は面白かったです。わかりやすかったですし、講演後の質問もたくさん出てました。オープンキャンパスの企画でしたし、一般の方もたくさんいらっしゃったんじゃないですかね。
その中からいくつか。(私のメモなので若干わかりにくいかと思いますが、ご了承を。)
@終盤の混乱にはどうするか?→お茶を飲んで一服。時間がないときは気合?w
Aプロ棋士としての成長→わからないが、長所を伸ばすこと。
B現状維持はリスクが高いので少しずつ変えていくのが良い。
Cはっきりしない場面→はっきりして開放されたい思うのは思考の幅が狭くなる。はっきりしなくても良いと思えば、幅とゆとりが生まれリラックスできる。
だそうです。

うーん、もしかしたら他の本とかぶってるかもしれませんね。
Posted by じゃがりんぽ at 2006年09月21日 14:33
じゃがりんぽさん>ありがとうございます。
Bの現状維持はリスクが高い、という事は羽生三冠自体よくおっしゃていますが、これは意外と簡単なようで難しい事だと思います。
Cの話は初めて聞きました。「はっきりして開放されたい思うのは思考の幅が狭くなる」というのはまさに至言ですね。私も頭に入れておきます。
Posted by よんだん at 2006年09月23日 15:24
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