私の先手藤井システムに、後手は流行の仕掛け。それに対して考えていた新手法で対抗しましたが、成果は微妙。双方自信の無いまま迎えた第1図
後手が銀を捨てて飛を成り込んできたところ。残り双方1時間程度。この手順には意表をつかれ、またありがたいと思った。感想戦でも佐藤四段は自信が無かった、との事。
ここで▲59飛が味の良い一手。飛交換の出来ない後手は△88竜と逃げましたが、いわゆる「ゼロ手」で香を守り気持ち良い。
しかしここで考えていて、実は形勢が芳しくない事に気付き愕然とする。そこで勝負、と▲36歩。▲66銀と角成りを受ければ安全ですが、それではいまいち。なので、▲36歩と傷を消して手を渡す。
当然の△77角成に▲66角が勝負手。△59馬なら▲88角で勝負形。難解な形勢が続きます。
そして双方残り10分を切って迎えた第2図。時刻は0時過ぎ。
直前にミスをして、負けたと思っていましたが、相手もやや違和感のある寄せ方。チャンスだったかもしれません。ここで▲37桂と普通に受けたのが敗着。そこで△14歩が素晴らしい手。「端玉には端歩」の格言通りとはいえ、このタイミングは軽視していました。
「△15歩」とくるなら分かりますが、「△14歩」と一手遅いわけですから。でもこれが好手で参りました。以下は歩切れが響いてダメでした。
そこで第2図では▲37銀が勝負手。考えたのですが凄い怖い順。なにしろ△59飛成▲同金△37馬▲同桂△28銀打とこられると必至級。
しかしそこで▲56角△37銀成▲29金とすれば先手玉のはっきりした寄せが見つからず。
という事で▲37銀に△56馬と逃げる事になるのですが、これならばまだまだ難解な勝負でした。
形勢が悪いのに安易な▲37桂を選んで勝負所を無くしてしまいました。
気合いを入れて臨んだだけに、とても残念な一局。良い将棋は指せたと思うのですが、負けては意味が無いです。特に終盤、第2図のあたりには悔いが残ります。
初めて順位戦で双方1分将棋の熱戦。終局は日付けが変わっていました。本当に疲れましたし、これぞ順位戦だな、という感慨もありました。
今月は1局増えて後3局。順位戦は来月の頭まで無いのですが、竜王戦もありますし、引きずらないようにしてまた頑張ります。
それではまた
第1図、藤井システムの戦いからにしては異様な感じを受けます。
(飛・角が並んでいる為に)
第2図、私だったらもったいないけど▲3七金と受けたい。△5六馬には▲4六桂。
この後飛・角の交換になれば▲3九金として先手陣を固める。
如何でしょうか?
王位戦も残念。フルセットまで楽しみたかったです。
プロじゃなければ「いい将棋でしたね」
と言えるのですが・・・・・
こういうとき結果を出さないと
いけない『プロ』っていうのは、
本当に辛いですね。
この場面では▲37桂や▲37金と安全を追ってはいけない局面のようです。
いしのひげさん>こういうのを「味に惚れすぎた」とも言うのでなんとも言えません(苦笑)王位戦は面白い将棋が多かったですね。まだ羽生ー佐藤戦は続くので、王座戦に期待しましょう。
こてくんさん>辛い時があるから、良い時の喜びも大きいのがプロの良い所だ、と自分に言いきかせて頑張ります。
大山先生でも36歩なんでしょうかね?
大山先生なら間違いなく▲66銀でしたね。▲36歩のような軽い手はあまり好まれなかったので。