戸辺三段は同じ加瀬門下の同門。いわゆる弟弟子にあたります。
随分長い付き合いで、思い出も数々。少しだけそれを書いてみようかと思います。
出会いは確か10年ほど前。戸辺三段は当時小学4年生くらい。加瀬教室に彼は訪ねてきました。私は奨励会初段くらい。
いきなり平手で挑まれ、何局か指して負かされた記憶があります。その時の彼の態度ったら(笑)ふてぶてしい子供でした。でもきっとこれは強くなる、そういう予感がしました。
そして奨励会に入会。加瀬門下の一員として歩み始め、色々な事を一緒にしてきました。途中からは三段リーグも一緒に戦ってきました。
その対戦成績は1勝1敗。決着は公式戦でつけられそうです。
私にとっては弟のような存在です。とにかく本当に良かった。おめでとう。
これで加瀬門下も3人の棋士(佐藤(和)四段・私・戸辺新四段)が誕生。少しは師匠孝行が出来たかな、と思います。三段にもう一人加瀬門下がいて有望だと思うので、近いうちに4人体制に!と夢は広がります。
またもう一人の佐藤(天)三段は、ご存知の方も多いかと思います。次点2回を取ったのにフリークラス進出の権利を放棄。そして瀬川四段の試験対局の相手に選ばれ堂々と勝利。という二つの大きな話がありました。
フリークラス進出の権利を放棄した時、その次点だったリーグ戦の最終日の夜、偶然彼と夕飯を共にしました。
私がなんとなく「おめでとう」と言うと「いや、わからないです」とはにかみながら言って、そして結果的に権利を放棄。私にはその行動が理解に苦しみました。でもこうして四段昇段を決められて良かったと思います。
しかしその一方で14勝をあげながら昇段を逃した三段も2人。一人とはよく遊ぶ仲間でもあるので、私自身ショックだった。
14−4勝率0.778
半年間同じ地位の人達で争い、これだけの成績を挙げながら昇段出来ない、という事が起こっているのは、制度のひずみを感じます。
とはいってもそれは彼らにも、そして私にも何かを変える事は難しい。
だからなお、哀しみが大きいのである。
昨日はそんな色々な気持ちを抱えながら、仕事の後、戸辺三段のお祝いの会に合流。
戸辺三段は思ったより淡々としていて、落ち着いていました。
ふとあの少年時代を思い出し、本当に大人になったんだなぁ、と父親のような事を思いながら見つめていました。
明日のネタも、兄弟弟子についてです。
それではまた
【関連する記事】
でも30人を超える三段陣で上位2名に入るのは至難の技ですし、組み合わせの運・不運もありそうです。
何とかならないのでしょうか?
年齢制限とも戦っている水津、殿岡三段には是非頑張って欲しい。
水津君は勝ち越すけど、爆発力が足りない感じ。
殿岡君は弟弟子ですよね。
現三段陣の情報も折を見て教えてください。
「三段リーグ」の制度には、私も「?」と思います…。
YASUさん>おっしゃる通り色々と問題もあるとは思うのですが、勝負の世界でやむを得ない部分もあるとは思います。ただもう少し何か救済措置みたいなものが出来ないものか、とは常々思っています。
一酔斎さん>ありがとうございます。制度に関しては、どういう制度が良いのか、私にもよく分かりません。今よりもう少し負担を減らせないかとは思うのですが。
私は年齢制限が迫っている人に昇段して欲しいと、いつも応援しているのですが・・・制度が変わって欲しい気もしますが、甘えかもしれないし・・・
本当にプロの世界は厳しいですね。
私の知り合いの子も頑張って欲しいです。
制度の問題は難しいですね。新入会の子には本当に頑張って欲しいですね。