さて順を追って。振り飛車党同士、しかも手の内を知り尽くしている同士なので、序盤から細かい駆け引き。結局先手の佐々木五段の向かい飛車vs私の居飛穴模様に。局面は分かりやすいように先後逆にしてあります。
先手としては組ませてはつまらないので、仕掛けてきたのが第1図
ここから△51角▲38飛△13桂が面白い仕掛け。以下▲17桂△25桂▲同桂△24歩と進み、普通は成立しにくい筋ですが、この場合こちらの玉側の端が手薄いので成立しているようです。
実際には難しい形勢だったのですが、途中はかなり悲観していました。
そして迎えた第2図
こちらの狙いは▲64歩△同金▲62歩。▲64歩が取れないなら大きな利かし。そこで後手は△64角と敵の打ちたい所へ打ちつつ端を狙ってきました。
悪そうなので徹底的に辛抱。▲86歩△同角▲87金△64角▲95歩としました。最後の▲95歩は△95桂を受けつつ香筋を止めたものです。
この辛抱が実って気が付けば少し良さそうに。そして進んで第3図。今後手が△63角と切り返したところ。決め所と見て残り少ない時間を投入。
一直線に進めると、▲61竜△97香(△同銀は▲53とで勝勢)▲同桂(▲88玉は△61銀が詰めろ)△同歩成▲同金△同角成▲同玉△61銀となります。これが第4図。
さてここが問題の局面。最初はこれで▲61と、としてこちらが詰まず勝ちだと思っていた。ところが改めて読み返してみると、そこで△96銀(!)▲同玉△98飛(参照図@)として
これでトン死してしまう事を発見。いやー背筋が寒くなりました。
この詰みには桂が必要ないので、第4図で▲46角と打っても△55桂で無効。
そこで▲64角は有力。△73桂打なら▲61と、でこちらが詰まず勝ち。しかし△73銀として▲61と、としたこの局面(参照図A)が問題。
ここで△64銀なら▲71銀△73玉▲85桂△84玉▲96桂以下詰みなのですが、最後の▲96桂を消す意味で△96歩としてから△64銀と角を取られると後手玉が詰まない。
と、第3図の時点でもろもろの変化を読み、結局▲53と、と安全策に。以下△41角▲96金とそこまで読んでいた変化を思うと妥協の順。時間も無く不安でした・・・
しかし第5図
この▲86桂に対して△73香と受けたのが一手バッタリ。すかさず▲64角と打っていきなり受け無しになりました。△73銀上▲65桂△55歩ならまだまだ大変でした。
色々課題の残る将棋でしたが、とりあえず順位戦初勝利でホっと一息。C2はまた中1週で次があるので、気合い入れて頑張ります。その前に来週は「二冠王」と対決です。
奨励会の話にかなりの反響があり、驚いています。詳しくはまた明日書きます。
それではまた
遠山四段の居飛車ですか。珍しいですね。実際は後手番ですよね。
参照図Aの前に▲9四桂△9三玉としてから▲6一となら先手勝勢でしょう。
第5図で△7三香の後▲7一角打で簡単な詰みですね。また、△7三銀上でも▲7一角△9二玉▲7四桂で必勝でしょう。
居飛車で勝てたのは(遠山さんにとって)大きいですね。将棋の幅が広がるんじゃないですか?
(6一金を先後逆に考えていました)
大変失礼しました。
後手番居飛穴ですかあ。相手にはかなり予想外でしょうね。7三香は私も指すようなうっかりですね。
勉強になります。
しかしながらプロは終盤はほんとによく読んでますね。
それでも一手の悪手や疑問手が出てしまうのですから将棋は面白いですね。
棋譜を見ると感覚が振り飛車党という感じですねやはり。居飛車なのに振り飛車感覚というか。間合いの計り方や玉捌きが振り党というか。そんな印象を受けました。新鮮な感じです。
たまには相居飛車で指しても行けるのでは?(笑)
居飛車党の深浦八段が三間や向かい飛車で、
けっこうな戦績を上げていますし(笑)
逆を行くのも面白いかも知れませんね(笑)
二冠王というと、森内名人・棋王ですか?
なにはともあれ一局一局楽しみにしています。
▲94香は△93玉なら▲61とで勝勢ですが、△94同香と取られてしまいそうです。
振り飛車党といえども、居飛車だって出来なくは無いので(笑)特に対抗形では居飛車を持ってもそんなに気にはならないです。
いしのひげさん>そうですね、相手も随分意表をつかれた、との事です。あまりにも久しぶりの対戦でそのへんを勘違いした、と笑って言ってました(笑)
駒落ち好きさん>いつかちゃんと振り飛車でも1勝をあげたいところです(笑)この後振り飛車党が続くので何ともいえませんが。
昨日は苦戦になってから、とある棋士を想像しながら指していた(辛抱が得意な棋士です)のですが、なかなか難しいものです。
相居飛車も、練習将棋で指す(大抵は挑発に乗って、ですが)事も時折あるのですが、なかなか新鮮です。相手が振り飛車党なら指してみたい気もします。
これぞプロ初勝利!!
次は昇段祝いの時のお礼を返しましょう!
参照図Aの前の局面△7三銀に▲9四桂を△同香と取ると▲9三金以下詰みがありそうです。
△同桂には▲7三角成△同玉▲6五桂△8四玉(△6四玉)▲7三銀以下簡単です。
△同玉なら▲8五桂△9二玉▲9三香△同桂▲同桂成△同玉に再度▲8五桂△9二玉▲9三金△8一玉▲7三桂不成以下、最後は5二にいると金が決め手になりそうです。
駒配置に間違いなければ成立しそうです。
順位戦、これから先勝ち星を重ねて下さい。
次はそうですね。借りを返したいと思います。
k.oさん>なるほど。▲94桂は有力ですね。おっしゃる通り、取ると詰みがありそうですね。そこまでは読みきれませんでした(汗)
駒落ち好きさんへ【追記】>二冠は名人ではありません。王位と倉敷ですね(笑)
遠山さんの勝利の後は話題にあふれていいですね〜。
最後△73香の場面までは形勢判断も難しいところなんでしょうか?△73銀上▲65桂△55歩のあと、どういう手が有力なのかわからないです(苦笑)
次も頑張って勝利を!応援してますよ!
順位戦初勝利おめでとうございます!
次も頑張ります!!
じゃがりんぽさん>ありがとうございます!大山vs高橋戦ですか、懐かしいですね。私も覚えていますよ。