それでも形はともあれ順位戦が3/8に終わり、あと少し頑張れば、と考えて将棋会館で打合せをしているときにあの地震は発生しました。
想像もつかない現実が残され、私自身は被害は少なくとも、体と心は大きく乱されました。
起きてみて初めて分かったことの一つは、一気に日常が変化するということ。
今月の諸々は対局以外ほぼキャンセルもしくは延期に。
元々自宅で仕事をする機会が多いのですが、それに一層拍車がかかりました。
しかし最初の頃は自宅で一人仕事をするには孤独すぎました。
少しの揺れで怖くなったり、集中してなにかをするのは難しい状態でした。
いつもの半分もスピードが出なかったでしょう。
夜は少しでも気持ち明るくなるようにと、妻とよく近所へ外食に出かけました。
美味しい物を食べたり飲んだり、お店の人と話すことで気分もいくばくか晴れます。
当初は街に人がいませんでしたが、最近は随分回復したように感じます。
その311から今日で17日目。今朝も大きな地震があり、あぁまだまだだと思いしらされます。
自分が出来ることなんてなにも無いけれど、節電したり、頑張って稼いで募金をしたり、小さなことを積み重ねていこうと思います。
最初の1週間に比べると心も体もだいぶ持ち直してはきました。それでも今も自宅で1人これを書きながら、ずっと好きな音楽をかけています。音が無いのは不安なので。当初はよくニコニコ生放送でラジオ代わりにNHKをつけていました。
なかなかすぐに完全回復とはいきません。でももし回復出来たときは、元に戻るのではなく、より良い形になりたいもの。
どんなことでもそうですね。
そのために一歩一歩、今は小さな歩みを進める時間です。
被災した皆様には心よりお見舞い申し上げます。
また現場で様々な事柄にかかわる全ての皆様に心より敬意を表します。
一棋士として出来ることは、将棋でほんの少しでも皆様の心に潤いがもたらされることだけ。それを願ってやみません。
それではまた
【関連する記事】
実質的な被害はあまりないものの、精神的な被害というか心の持ちようがなんとも言えないですね。
被災者の方々のことを思えばなんてことないはずなんですが、なかなか日常通りともいかず、先生のおっしゃる通り自分でできることしかできないのはわかってるんですが、何とかできないものだろうかとつい思ってしまします。
劇的な回復は難しいとは思いますが、自分がやれることをやって、被災地のみなさんが少しでも早く心安らかに暮らせたらいいなあと思っています。
ただ。。。
【元の生活に戻そう】と考えるのではなく、【前よりさらに幸せになることによって、今回の災害の意味を噛み締めよう】という思考が必要だと感じます。
地震前のような便利な生活は、もう永久に戻ってこないかも知れない。でも、それは【見た目の便利さに惑わされない、幸せな生き方を見つけるチャンス】かも知れません。
その意味で、これからは【人としての在り方】が重要になってきます。
棋士の皆様には、盤上で、また普及活動等を通して、そのお手本を示して頂きたいと(本気で)思っています。
いまは大変な時ですが、復興なって立ち上がれるように、僕もわずかばかりですが募金などの助力をできればと思います。
今、このブログを読んだ後、ふとファニーBlogにきてしまいました。
↓
http://blog.goo.ne.jp/flower-wing
医療スタッフとして被災地へ行かれた方の体験談が書かれています。
人生観が変わります。。
私はこれから会社ですが、生きる意義や自分にできることを問いながらの出勤になりそうです。
将棋もチャリティ以外でできることがあるはず。
避難所の方々、特に避難生活に退屈しちゃってる子ども向けに将棋体験教室の開催や、ご高齢者の将棋のお相手など、地味だけどそんなプロ棋士の慰問活動があってもいいかなと、ふと思いました。
たるくさん>【前よりさらに幸せになることによって、今回の災害の意味を噛み締めよう】ということが今回とても大切だと思っています。
忍者福島さん>是非将棋関連でもお願いしますね。
名乗るほどのものでもありません。。。さん>すいません、掲載しました。私もその記事は読んで感銘を受けましたので。
棋士の派遣などはもう少し落ち着いてきたらば積極的に行う方針でいるようです。