相銀冠のじっくりした構えからジリジリとした展開に。お互いに相手の狙いを避けながら間合いを詰めるという流れ。辛抱に辛抱を重ね苦しい時間が流れていました。
そんな中、ついにチャンスが来た、と思った第1図

▲6七桂と打ったところ。次に拠点の歩を払いながら攻める事が出来るので味の良い手。しかし先手は角が遊んでいて、対してこちらの飛は敵陣の急所に利いています。
それをふまえ、ここは流れを急にするべきとみて△9五歩と襲いかかりました。▲同歩には△9八歩が手筋。
実戦は▲7五桂と来て、以下少し長いですが、△7四銀右▲7六角△2九飛成▲3二角成△9六歩▲9八歩。
両取りをかけられても取られるのは遊び金。その間に桂を拾って端を謝らせる。気持ちの良い手順ですが、ここで一押しがありませんでした。
以下はほんの僅かずつですが足りない形勢だったようで、際どいところを踏みこまれて負かされました。
戻って第1図では△4五飛成が正解。これで角のラインを避け、▲7九角に△7二銀打と埋め、長く長く戦い続ける姿勢が大切でした。将棋は簡単には勝てない、勝ちを求めず負けにくさを求める事が実は勝ちへの道につながっている、という好例でした。
1分将棋まで戦い、感想戦を終えて終電間際で帰宅。力を出し切った充実感はあったものの、結果が悪くてはいけません。本局に関しては、どれほど時間をかけても死に物狂いで勝ちをつかみに行くという気持ちが、ほんの少し欠けていたかもしれません。次はもっとがむしゃらにいく事を心がけます。
それではまた
しかし、こんな辛抱を重ねながら戦わないといけないとは奥が深いです。プロならではの渋い手順ですね。
今度は「がむしゃら」に戦って勝った自戦記を期待してます。