2006年03月04日

一番長い日、リポート

 昨日は夕方前に将棋会館へ。夕食休憩まではのんびり過ごし、夕休とともに仲間棋士と外に夕飯へ。ここで話した事、また後日紹介する機会をもうけたいと思います。

 夕飯後、将棋会館で仲間棋士と呑気に話をしていると、道場課の方に声をかけられる。ノータイムでOKし、大盤解説会にゲストで参加させていただいた。3回目でだいぶ落ち着いて出来た。
 終わった後、知り合いの方の一人に「分かりやすくて良かったよ」と声をかけていただきホッとしました。これからもこういう解説会のような仕事は積極的にこなしていきたい。私自身も、コンビの北浜先生の力もあって、楽しくやる事が出来ました。

 20時過ぎからは本格的に検討に熱が入る。その中で藤井ー久保が一番人気。既に形勢は藤井九段に傾き気味。専門的には久保八段がかなり勝てない展開で、終局も早いのでは、と予想されていた。
 ところが、実際終局は早かったが、結果は久保八段の勝ち。 藤井九段としては、なかなか良くならなず、方針が定まらないまま決定的な悪手を指してしまい、悪夢のような転落。早々に控え室では、こうなれば藤井九段の投了もある、と冗談で言われていた順にそのまま進み、そのまま投了。呆気にとられる結果に。

 そして注目の一局、羽生ー森下も24時前頃大勢が決し、最後森下九段は潔く詰まされに行った。ちょうどそこを衛星放送が捕らえており、負けた森下九段には申し訳ないが、戦い終える直前のその表情は美しくもあった。
 羽生四冠が詰ましにいってから森下九段は九手指して投了した。プロなら一目の詰み。この九手の間、森下九段はどんな事を考えていたのだろう。観ていた方には是非そこまで頭をめぐらせていただきたい。そうするとまた違った一面が見えてくると思う。

 これで24時にして降級二人が決定。谷川九段が勝ってプレーオフも決定。 残りはまさに順位のみの戦いだが、特に鈴木ー丸山は素晴らしい将棋だった。若手棋士と仲の良いお二人の先生だけあり、終局後もかなり長い時間若手棋士が集まって検討していた。
 この鈴木八段の姿を観ていると、棋士はどこまでも戦い続けなければいけないのだな、と改めて感じた。ぜひ再来年の衛星放送で鈴木八段の対局姿を見たい。が、そう思うB1の棋士も沢山いて、このへんが難しいところ(?)。

 2時前に全ての検討が終了して、帰ろうかな、とも思ったのだが、ちょっと聞きたい事があり、残る事に。ここからも色々と良い事が。
 
 衛星放送の解説だった渡辺竜王と談笑していると、対局を終えた藤井九段がそこに加わって、なんと今日の将棋の話を聞く事が出来た。 あまり知られてないが、藤井九段はとても楽しい先生で、どこまでが本気でどこまでが冗談か分からない時がある。
 色々と藤井ー久保戦について聞かせていただき、有意義だった。ただ、眠かったのか頭がボーっとしていて将棋の内容についての事をいまいち覚えてないのが残念。 「早く打ち上げに行かないと・・・(自主規制)」というフレーズはよく覚えているのだが(笑)

 その後は今回含め、順位戦の中継をされているこちらのサイトの記者の方に、色々と質問をし、疲労困憊であろう記者の方にさらに質問攻めにし、疲労を増やしてしまう(苦笑)
 ここは本当に素晴らしいサイトで、本当に月500円は安すぎる。これから順位戦がクライマックスに突入し、プレーオフもあり、名人戦も始まる今がチャンス!!是非ご登録お願いします。
 色々うかがい、非常に学ぶべき事があり、良いお話を聞かせていただいた。 記者の方には厚く御礼申し上げます。お疲れのところ申し訳ありませんでした。これからもよろしくお願いします。

 その流れで、何故か幸運にも記者の方々と色々とお話させていただき、「現場の声」を聞かせていただいた。なるべく、現場の方の、またファンの方の、一番良い理想の形に近づけられるよう、将棋連盟も頑張らなくてはいけませんね。

 最後は4時にタクシーで帰宅。泥のように眠りました。

 今日は楽しみにしていたLIVEが渋谷であります。楽しんできます!

 長々と失礼しました。 

 それではまた
posted by 遠山雄亮 at 15:27| Comment(5) | TrackBack(1) | 将棋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ううむ、大人の趣味としては月500円は安いと思いますが、我が家の場合は息子(それも小学生)の趣味なので、毎月の小遣い以外に月々500円かよ〜と嘆きたくなります。でも「今月はどうしても入らなきゃ」と3月1日に加入いたしました。いや〜、昨日1日ですっかり500円の元がとれた気がします。
ところで、息子が「ばか詰め」の回答を楽しみにしております。
Posted by いつも拝読しております at 2006年03月04日 20:41
遠山雄亮様
 Yozakuraです。将棋会館・解説会でのゲスト解説、お疲れ様でした。またお疲れの処、記憶が鮮明な内での詳細な現場レポート、有難う御座います。
 一昨日夜半から本日早朝に懸けて続いたA級順位戦最終対局の報道・解説は、御紹介のありました主催新聞社の有料サイトにて堪能しました。
 昔は将棋会館で開催される解説会に出席し、プロ高段者の解説を聴取しておりますと、対局現場に立地している強味もあってか、「理解できたかの様な気分」になったものです。しかし棋力の向上に伴い「それは臨場感に酩酊・陶酔した単なる錯覚であり、矢張り分かってはいないのだ」と痛感するようになってからは、余り出掛けておりません。
 寧ろWeb中継のように、解説は限定されているものの、複数対局の指し手が同時(実際は,やや遅行気味)報告される方が、対戦中の将棋が進行する方向や対局者の心理状態を推測できて、こちらの方が却って面白く感じる程です。
 遠山さんが力説される通り、コチラの対局中継報告は、料金の廉価さに比し、報道内容は誠に興味深く濃いものがあり、購読者数の一層の増加が望まれます。
 今後とも、ご活躍下さい。お元気で。
2006/03/04(土曜日) Yozakura 敬白
Posted by Yozakura at 2006年03月04日 21:20
コメント、ありがとうございます。
毎日新聞のサイトにご登録いただきありがとうございます。担当者に報告しておきます(笑)
冗談はさておき、まだまだ順位戦もこれから各クラス山場ですし、プレーオフもあるので、ますます毎日新聞のサイトでご覧いただけるよう、お願いします。
Posted by よんだん at 2006年03月05日 01:08
一番長い日、おつかれさまでした〜
有意義な日になりましたねー

順位戦、中継も楽しいし、
先日のように現地で楽しむのもまたいいし、
やはり魅力あるこんてんつですねっ
昨日のC級1組も、実にドラマチックでした。

来期はいよいよ登場、いまから
楽しみですねっ♪
Posted by まえはる at 2006年03月08日 14:21
まえはるさん>先日はどうもでした。昨日のC1もすごかったし、順位戦最終局はドラマチックですね〜。
来期、頑張ります。
Posted by よんだん at 2006年03月08日 14:35
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ただいま、現場にて
Excerpt: 1時間ほど前に連盟とうちゃく〜 解説会はふた部屋使ってどちらも大盛況。 携帯なのでぼけてますが、屋敷九段北浜七段が楽しく解説ちゅうですー
Weblog: 暢気亭日乗〜のんきていにちじょう〜
Tracked: 2006-03-08 14:17