2009年11月18日

澤田四段戦

先手番で久しぶりに石田流へ。
お互いに美濃囲いに囲い、飛角交換の華々しい展開に進みます。

少し良さそうな感じもあったのですが、こちらにミスがあって迎えた第1図


21.11.17澤田戦@.gif


△4八歩と叩いてきた局面。これが鋭手でしびれました。取ると逃げ道が狭くなり△2七香の打ちこみが厳しいですし、金を逃げるのでは囲いの弱体化が激しく戦いきれません。
よほど▲4四歩と馬を取りたいところでしたが、△4九歩成を許しては勝てません。

思わず残り1時間11分から50分を使う大長考に。ここで腰を落として考え、現状を冷静に眺めて気持ちが落ち着いたのが隠れた勝因でした。

▲同金寄と取り、△4五銀に▲3九玉が粘り腰発揮の手順。


21.11.17澤田戦A.gif


これで玉頭攻めを緩和し、相手の攻めを和らげる事に成功しました。△5六銀▲同歩△2三香に▲2八歩と受け、簡易穴熊(?)を作る事に。形勢は少し悪そうですがこの簡易穴熊が想像以上に堅く、気がつけば逆転。以下は時間に追われながらも制勝しました。


第1図で気持ちを切らさずに正解を求めた姿勢が勝因でした。順位戦前半では出来ていなかった指し方で、そういう点では収穫の多い一戦でした。
ただ少し良い局面で正確な読みを欠く場面もあり、そこは大いに反省点です。


これで順位戦は3勝3敗の五分に。来期につなげられるよう一戦一戦を大切に頑張っていきます。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 22:17| Comment(3) | TrackBack(1) | 対局結果 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
言われてみれば、その通りですが▲同金寄〜▲39王は妙手順ですね。▲59金寄と指したくなりますが、それでは駄目なことがようやくわかりました。
少しでも順位が上に行けるように残り4局頑張ってください。
Posted by A.I at 2009年11月18日 23:05
図面の手順は、派手さこそはないもののプロならではの苦心の手順といった感じがよく伝わってきました。今後も積み重ねでがんばってください!
Posted by bee at 2009年11月19日 12:23
順位戦勝利おめでとうございました。
一見不利な局面ですがまさに絶妙手順ですね。
簡易穴熊とは流行るかもしれませんね(笑)
後半戦に向けて積み重ねていただきたいです。
新著の方は今週末中には拝読して楽しみに勉強させていただきますね。
Posted by 駒落ち好き at 2009年11月19日 17:17
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