簡単に解説すると、先後に関わらず角道を止めない中飛車に対し、居飛車側が5筋の位を取らせてしまい、その代わり居飛車穴熊に一直線に組む、というもの。
一昨日の大石四段戦でいくと居飛車は

こんな感じでスタートし、以下金銀をひたすら玉にくっつけて、

後は飛角で細かく手を作ってしまおうという作戦。
これがここ数カ月公式戦で猛威をフルっています。
A級順位戦でも2局見られ、B級1組では杉本七段がいつもこの作戦を相手にしている印象です。私も順位戦で2局連続で指されました。
これを自分なりに分析すると
・ゴキゲン中飛車には二枚銀急戦のような玉の薄い形が主流
↓
・しかし勝ちにくいので居飛車側が堅い玉形を求める。そこで角交換型が主流に
↓
・しかし手が詰まりやすいという難点が。無理に打開しても玉形が中飛車側と変わらないのが辛い
↓
・どうせ手が詰まるならいっそ更に堅い玉形を求める
という流れがあると考えます。
これは昔、オーソドックスな振り飛車に対して出来た流れと似ています。
急戦→左美濃→穴熊
と移り変わり、その穴熊は振り飛車党を激減させたと言われてきました。
それに加えて何故そんなに流行ったかというと、一時公式戦で居飛車側が爆発的に勝った事が要因に挙げられます。やはり「勝利」の二文字は
流行に大きく影響してきます。
今のところオーソドックスな振り飛車に対して出来た流れと似ていますが、果たして今度こそゴキゲン中飛車は居飛車穴熊を退治出来るのか。
そういった目で将棋界を見ていただくのも楽しいと思います。
ちなみにこの形については近いうちに将棋世界の勝又六段のコーナーで特集が組まれるそうなので、これは必見です。
詳しい手順などを知りたいという方は是非来月発売の自著で(毎日宣伝ですいません汗)。
今日はそんなところで。
それではまた
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先日の順位戦、お疲れ様でした&勝利おめでとうございました。
今日のような内容のブログはとても面白いです。
プロのエッセンスといいましょうか、最近の流行の形など、日々将棋の勉強をしたいとおもいつつ、なかなか時間がない時に、戦法的な話をして頂くととてもうれしいです。