後手番で久しぶりに2手目△32飛を採用。前期の順位戦の最終局以来です。
対する大平五段は3手目に▲96歩と突いてきました。

これは今期王位戦の▲深浦王位ー△羽生挑戦者戦で現れた手で、△の羽生名人は△94歩と受け、それを見た深浦王位が猛攻を仕掛けるという流れの将棋でした。
しかし本局では△62玉▲95歩と端を詰めさせる指し方を採用。研究会で指した事があり、有力と感じていました。
結局序盤紆余曲折あり、先手の6筋位取りvs後手の三間飛車穴熊という、一昔前のような格好に。超最新形の出だしからでも昔の形に戻るというのは将棋の面白いところです。
棋譜中継をご覧になっていた方に解説すると、後手が角をクルクル回転させ、△22角と飛取りにしたところでは上手く捌いて優位を掴みました。
ただ終盤こちらに緩手もあり、だいぶ追い上げられたようです。
しかし最後に狙っていた一撃で勝ちきりました。解説の都合上、先後を逆にしてあります。私が▲です。

こちらの穴熊は変な格好になっていますが、底歩が堅く相当詰まない形。となればここは一気に襲い掛かる一手。
そこで▲52銀が決め手。△同玉は▲61角ですし、△同金には▲21角△32香▲41竜△54玉▲56金

長い手順ですが、▲21角と▲56金が急所。上下から迫れば後手玉は自然と受け無しになります。
この▲52銀で振り切り、実戦は△同金▲21角で投了となりました。
気合いの入る一番で、良い内容の将棋が指せたと思います。
これで順位戦は勝ち星が先行。このまま勝ち越し目指して頑張ります。
終局後、私のコートが隣の対局の真後ろの押入れに入れっ放しで取れなくなってしまいました。さすがに大熱戦の真後ろでは取りに行きにくく、終局を待っていたらばその将棋がもつれにもつれ、結局終電を逃すはめに。
しかしそのおかげで、幾つもの大熱戦の検討に参加出来たのは幸運でした。1時を過ぎても続く対局が多く、まさに順位戦という戦いを何局も観戦出来ました。
今年も残りはあと1局。良い形で締めくくれるよう、気を緩めずにいきたいと思います。
それではまた




弟弟子の戸辺四段もがんばっていますし、
次もどうどその調子で。
いつもブログ楽しみに拝見しています。
いろいろな情報がわかりありがたいです。
今後のご活躍を期待しています。
ちなみに私の愛読書は将棋世界で
35年かかしたことがありません。
トップを走る大平五段に勝利とはさすがです。
序盤は収まってレトロな戦形になりましたね。
しかしこうなっては後手振り飛車満足の展開でしたか。
角の睨みから、桂跳ね、合わせの歩、角出、端歩から
角引きと味の良い手順が続きました。
終盤も見事。快勝譜となりましたね。
年内あと1局もこの調子で期待します。
いつも楽しくブログ拝見してますよ。
順位戦頑張ってください!
二手目3二飛を採用されたので、とても興味深く拝見していました。
ひそかに今日の竜王戦でも名人が採用されないかな〜と思っているのですが。。。
今年も押し詰まりましたが、体調に留意され、益々のご活躍をお祈り致しております。