中継はNIKKEI NET 将棋王国の王座戦中継サイトで
この第1局は東京の赤坂プリンスホテルで行われており、私も勉強に行く予定でいます。
昨日は朝から会議が2本、終了後遊んで遅い時間に帰宅、という一日。結局時間が取れずブログの更新が出来ませんでした。
会社勤めの方と違って会議が2本なんて事はそうある事ではないので、疲労感たっぷりで終了。休憩もほとんど無かったですし…
将棋界も色々と考えなくてはいけない事が増えていて、将棋だけしっかり指していれば良い時代ではないという事だと思います。私自身、この事を心しています。
会議自体は充実したもので有意義な時間でした。
終了後若手棋士数名と将棋会館を出ると、そこで先輩棋士数名とばったり。そのまま飲みに連れていっていただき、楽しい時間を過ごしたばかりか、すっかりご馳走になってしまいました。どうもありがとうございます。こういう機会は久しぶりで本当に楽しかった。
私はあまりお酒が強い方ではありませんが、それにしても棋士の人たち(特に先輩方)の強さには舌を巻くばかりです。昨日も最後はグロッキー気味で帰宅したのですが、他の数名は更に飲みに行かれていました。
ちなみに飲みの席でかなり盛り上がったのがゲーム論と確率論。しかしこれがさっぱりちんぷんかんぷんで(苦笑)
私は棋士の中ではゲーム類がかなりダメで(一般的には普通でしょうが、周りが強すぎます)、ギャンブルもからきし。下手の横好きで麻雀をやるくらいですが、それも大抵喋りすぎて(笑)負けます。
とはいえ昔と比べて後輩には私みたいなタイプの棋士が増えている気もしますので、仲間が増えているようです。良かった良かった。
書き損ねましたが、一昨日の竜王戦挑戦者決定戦では、控え室の動画中継が流されていました。これが結構評判を呼んだようです。音声が入っていなかったとはいえ、渡辺竜王が検討している様子を観たいという方は多かったでしょう。
この事に触れている記事を幾つか見つけました。
昨日の控え室の映像の最大瞬間接続数は4000を超えていた(将棋の海外伝播などについてのブログ)
これによると、最大で4000のアクセスがあったとの事。あくまで実験段階で小さくしかリンクが貼られていなかったのに、このアクセス数には新たな可能性を感じさせられます。
もう一つ記事を。
控室の動画中継(のぺのげ Part3)
この中であまりに中継が詳しくなると
速報や現地解説を充実させれば充実させるほど,わざわざ観戦記を読む方が減ってしまうというジレンマも考えられます.
という件があります。このジレンマは将棋界ではよく言われる事で、その付き合い方は悩ましいところです。
個人的には、相関関係は双方良い方向に向いているのではないかと最近は思っています。よく知らないで観戦記を読むより、ある程度の知識を持って観戦記を読んだ方が楽しく読めるのではないか、という事。そしてそうして中継に触れていく事で将棋界に詳しくなれば、更に読む楽しみが増えるのではないか、というこの2点です。
結論が分かっていても(内容的にも)、それを求めて観戦記を読むのは少数(棋士とか)で、大多数の方はそこでは無い所に楽しみを求めているのではないかとも思います。
ただこれはあくまでも個人的な見解で、この辺は色々な意見を伺ってみたいです。
ネットとの付き合い方というのは社会全体の課題ですが、上手く使えばこれほど素晴らしいツールは無いはず。ネットの可能性は非常に大きく誰にでも開かれており、私自身も使いこなせるよう、日々勉強です。
それではまた
【関連する記事】
技術の進歩に則した対策が必要では・・・?
例えば動画配信を見るのに有料にしても、安ければ見る人が多いだろうし、一人10円と設定しても、100万人が見れば1000万円の収入。年に1000万円稼げる棋士が少ない将棋界としては結構な額では?
また、定跡や過去の棋譜ソフトと連動させるなどして、見ていて棋力がアップするコンテンツにするとか、技術的にも限りない広がりが有るように思います。
僕は将棋も好きですがマージャンやゲームも大好きです(例:カタンの開拓など)。
将棋や他のゲームの勝負に勝ちたいのもあるんですが、その後の感想戦(のようなもの?)が楽しいですね。
遊ぶのもおもしろいし、コミュニケーションツールとしても優れているな〜と思います。
いろんな知識に触れることが出来る機会があるっていいですね〜
観戦記で復習も出来るし、後日に正確な結論が出たり、1手の意味に新たな発見が見つけられたり・・・
全社の新聞や、将棋世界等にまで時間を避けない隠れ将棋ファンに対して、
ネットの充実は非常に有用だと思います。
「α読み」と「β読み」について知りましたので紹介します。
プロ野球の実況ナマを見てから、
夜中のプロ野球ニュースでダイジェストで勝利を再確認した人が
翌日のスポーツ新聞を読むと、書いてある事が全て理解できる。
つまり、知ってる事を文字で読むと簡単に理解出来る。
これがα読み。
対してβ読みは未知の事柄を文字から読み取って理解するので
ほとんどの人は挫折して、「解るように説明しろ」と逆切れしても
しかたがない。
ちなみに、私は棋譜が読めません(変化手順を元に戻せません)。
その場の実況解説と観戦記は役割が違うので、相乗効果の方が期待できると思います。野球で実況解説がない放送はありませんが、それでもスポーツ紙は売れますし。実況は速報で、観戦記はストーリー、といった感じで。
しかし、控え室中継に音声までつけるのは、個人的にはやりすぎかなと思います。一時間おきに5分くらい音声解放して簡単な解説をするとか、限定した方が控え室の棋士にもいいでしょうし、ちょっとだけ解放される方がファンの覗き見的好奇心も却ってそそられるかと。いずれにしても垂れ流しには危惧を覚えます。
何をどこまで出すべきなのか?というのは、今後整備されていくのでしょうが、将棋のライブ中継の方法論を確立させていくというのは、大変面白くやりがいのある仕事となるかもしれませんね。そしてそれが今後の将棋界の盛衰の鍵になっていくのではないでしょうか。
棋士と観戦・中継記者の皆さんにエールを送りたいです。