屋敷九段は穏やかに居飛車で追随し、類型の多い将棋に。
しかしそこから個性的な手を指され、あまり見た事の無い戦いになりました。
手数は長くないものの熱戦でした。今日は次の一手形式で一局の流れを見ていただきます。
まずは第1図。中盤戦たけなわです。後手が△85桂と捌いてきたところ。この動きを逆用する手順がありました。
そんなに難しくないです。持ち駒を上手く使います。
まずは▲83歩が好手。△同飛ですが、そこで▲74銀と両取りに打つのが上手い手です。
△77桂成の決戦は少し先手に分がありそうとのことで△81飛と逃げましたが、▲85銀と桂を取り
駒得に成功。歩切れなので形勢は難しいものの、少し良さそうな感じです。
しかしこの後こちらに致命的なミスがあり、一気に悪くなります。
そして第3図。ここは後手の手番。覚えておきたい手筋があり、それでしびれました。
△87歩成と来れば、そこで▲33角成から殺到して、これは先手玉に脅威が無いので後手はまずいです。
そこで大決戦の前に味付けをするのが良い手です。
それが△17歩。▲同香なら△16歩〜△24桂ですし、放っておいても△16桂が厳しい。8・9筋の絡みで駒が大きく交換になりそうなので、この時限爆弾には参りました。
△87歩成といかなければ先手の飛が1筋に通ってないのもポイントです。
しかしそこからこちらも頑張ります。
後手が待望の一着を放った第4図。ここで負けじと勝負手を放ちました。
△89飛には厳しい狙いがあります。普通なら▲77角左と逃げますがそれだと△59銀が恐ろしい一着。
これで先手玉には上手い受けがありません。後手玉は▲33角成から突進しても詰まないので負け。
というわけで第4図ではこちらが負けそうですが、唯一受けがありました。
それが▲56飛
これが狙い澄ました勝負手。△59銀を消し、△86飛成には▲33角成からの素抜きを見せて、間接的に防いでいます。そして密かに△16の桂の取りにもなっています。
しかしこの後、秒読みの中で攻防の判断を誤り、敗勢に転落してしまいました。
正真正銘の決め手は第7図
後手としては3筋方面は塞いでいるので、7筋辺りに手を作るのが理想です。
そこで△86角が好手。これで参りました。▲58飛と受けるくらいですが、そこで△54歩が冷静な一着。やむを得ない▲46角(▲88角には△87歩がある)に△77歩成とと金を作られて、先手玉は粘りのきかない形になり万事窮しました。
内容は悪くないのに結果に結びつかない流れが続いていて苦しいところですが、原因がハッキリしていると自分の中では思っているので、これをバネにまた頑張っていきます。
去年もでしたが、7月はいけませんね。一番対局の多い時期なのに(苦笑)
それではまた
美濃に対しての桂の筋は強烈ですよね。
私レベルでも桂を持てばまず端攻めを考えます。
56飛は本当に次の一手のような手ですね。
屋敷九段もうなったのではないでしょうか。
丁寧な解説ありがとうございました。
図が多くて大変分かりやすかったです。
夏バテに気をつけて次の対局も頑張ってください。
今年は猛暑になるとの予想もあります。
解説会と同じですね。
これからも続けてもらいたいです。
敗局を振り返るのは辛いと思いますが、そのサービス精神に感服します。
次回はできれば勝局でお願いします。
屋敷九段が積極的に来ましたか。
スリリングな攻防で名前を隠せば
B級1組九段とC級2組四段の棋譜とはわかりませんね(笑)
致命的ミスに秒読みで攻防の判断も誤ったのでは負けも仕方なしですか。相手も相手ですし。
負けが込むと手が伸びなくなると言いますか、消極的になり駒が前に行かなくなってさらに悪循環ということもあるかと思いますが、そういうことではなさそうですね。
内容は悪くないようですから将棋世界8月号の最終回
の千駄ヶ谷市場で対清水女流二冠戦が紹介されている通りに、
明るい性格の遠山四段らしい明るい一手
を連発していただき勝利に結びつけてもらいたいです。。