2014年03月16日

第3回電王戦第1局

既報の通り、習甦が菅井五段に勝ちました。
朝から一日控室に詰めており、検討も行いました。
勝負のポイントとなったであろう局面は以下の図。


2014.3.15菅井ー習甦56手.gif


7二の飛を△4二飛としたところ。この手が検討陣を唸らせた好手。傷を消しながら4筋に勢力を集めた、と言葉にするには簡単ですが、なかなか指せる手ではありません。菅井五段も指された時に読んでいないという表情でした。
対して▲5七金が弱気な手でどうだったか。▲5六金と前に進めば、勝負は分からなかったと思います。
本譜は▲5七金に△5四銀とされて制空権を握られてしまい、以下は勝てない将棋だったようです。

金銀のもみ合いというコンピュータ将棋が一番得意とする分野での戦いとなってしまい、習甦の実力を十二分に出されてしまいました。勿論菅井五段はそういう展開は避けたかったでしょうが、そう簡単にできるほど将棋は易しくありません。本局はコンピュータ将棋の対抗形の強さを改めて実感する一局でした。

局後の記者会見で第2局に関する言及とPVの公開がありました。
ビッグイベントの運営ということで色々なことがあるのは致し方ありません。私としても知らないことばかりで、記者会見を見て知ったことも多く、判断つきかねています。
2点残念なのは、
・前回の記事で書いた「ファンに喜ばれるかどうか?」の雲行きがだいぶ怪しくなったこと
・佐藤紳六段はじめここから登場する棋士が、集中して盤に向かえるかが大変心配なこと
将棋連盟が出来る唯一最大のことはイベントを成功させることですし、関係者一同それに向けて頑張るよりありません。
私もこのイベントをネット・モバイル事業の発展につなげられるよう、2局目以降も全力で取り組んでいきます。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 15:40| Comment(7) | TrackBack(0) | 電王戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする