2013年11月30日

竜王戦七番勝負が終わって思うこと

竜王戦は既報のとおり、4勝1敗で森内名人が制しました。渡辺二冠は竜王9連覇でストップです。

渡辺二冠とは奨励会入会が1年違いで、年齢も5つ差で大きくみて同年代です。
向こうがプロになった三段リーグで私は初参加で、竜王に就いた時にもこちらは三段。
四段になってから研究会を始めて接点が出来、私に限らず渡辺二冠は「りゅうおう」と呼ばれていて「渡辺竜王」は強固なものでした。

今回竜王を失ったのは、心のざわめきが消せない出来事でした。
これからなんて呼べばいいのか、ということではなく(それもちょっとはあります)、大げさではなく歴史が動いたからです。
とはいえいつまでも同じ状態ということはありえないこと。そういう気持ちが強いからか、冷静に受け止めています。

竜王戦中継ブログには両者のインタビューも掲載されています
その中で

―― 何か敗因とか考えられることはありますか。
渡辺 自分では普通にまずまず指せたと思うので。そうですね、力がないですね。

というやり取りがあり、驚きました。渡辺二冠をして力がないとは。
ただ最近の渡辺二冠は一段上を目指していて、それで苦しんでいるようにも見えます。
それが実った時、来年の今頃また全然違う歴史が作られているかもしれませんね。

来年1月からは王将戦七番勝負で渡辺王将と羽生挑戦者という対決があります。
続いていく世代対決、見逃せません。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 12:29| Comment(6) | TrackBack(0) | 将棋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月29日

好手のはずが一転

昨日は高橋九段とvs。高橋九段のブログに書いていただいたので、こちらでも取り上げます。

1局目。こちらの角交換型の穴熊にあちらは玉頭位取り。互いに好きな形の戦いに。
この▲6五角が自慢の一手で、優位を確立したはずでした。


2013.11.29 vs高橋.gif


△8二飛と角成りを受けさせて、▲5五歩から中央突破を目指そうという手。
これは好手だと感じたのですが、△6四歩▲8三角成△3四銀直が意表の手順でした。

好手を放ったはずが一転、馬の使い道が難しいうえに△3三桂〜△2五桂の端攻めも厳しく、自信の無い進行になりました。
この後は秒読みということもあり、二転三転。穴熊を活かして粘り続け、150手を超える熱戦で幸いしました。

馬をタダで作らせてゆっくり駒組み、というのはなかなか浮かばない手順です。
将棋の奥深さと高橋九段の懐の深さを再認識しました。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 将棋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月28日

竜王戦第5局

今日から竜王戦第5局。渡辺竜王(1勝)―森内名人(3勝)戦。
PCモバイル同時中継。
ニコ生1日目は飯塚七段と本田女流三段のコンビ
ニコ生2日目は藤井九段と藤田女流初段のコンビ
NHKの放送予定はこちら
竜王戦PVも公開されました。


森内名人が後手で2勝し、奪取まであと1勝。第5局は先手番で、一気に決めたいところでしょう。
渡辺竜王としては流れを変える内容にしたいところ。
戦形は横歩取りとみます。

全国各地で大盤解説会も行われます。
詳細はこちら
ぜひお近くの会場にお立ち寄りください。


それではまた
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2013年11月26日

NAVITIME社と日本将棋連盟が業務連携

昨日プレスリリースがありました。
日本将棋連盟のイベントページが「NAVITIME」と連携! 自宅からイベント会場までトータルナビ(R)が可能に!!(日本将棋連盟のお知らせ)

詳細はプレスリリースをご覧ください。
この案件には深く携わってきただけに感慨深いものがあります。

元はひょんなことがきっかけでした。
職団戦に遊びに来られていたNAVITIME社の方が日本将棋連盟モバイルのブースに立ち寄られ、そこで名刺交換しました。
私自身NAVITIMEの愛用者で、あちらは将棋が好きな営業の方。すぐに意気投合しました。
話が進み始めてからはトントン拍子で、今回の形となりました。

私のこれまでの編集長業務を鑑みると、他社との仕事で成長の機会を与えてもらうケースが多いです。昨日のアイデス社もその一つです。
そういう意味で自分としてもとてもいい話であり、今後さらにいい形での連携をしていきたいものです。

イベント等にご参加の際、是非ご活用ください!


それではまた
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2013年11月25日

11月30日にニコニコ生放送で初心者専門番組!

豊川七段がギャグを元に将棋を教える番組が11月30日18時からニコニコで放送されます。
【i羽生将棋】 豊川七段と高梨臨のマンモス将棋基礎講座

今回の講座内容
・豊川ギャグで覚える「駒の上手な使い方」
・定跡の種類と特徴をわかり易く解説。「観える!盤上のかけ引きと攻防」
・昼休みの詰将棋も解けるようになる「1手、3手詰めで終盤力強化」
(公式ページより引用)

アシスタントは女優の高梨さん。電王戦にゲストで登場されるなど、将棋好きとして知られています。

この番組はiPhoneアプリのi羽生将棋シリーズを3本リリースされているアイデス社が提供しています。
i羽生将棋シリーズは日本将棋連盟公認アプリですし、アイデス社とは一緒にAppStoreでイベントをやるなど、親交があります。
ある時アプリの宣伝を相談され、ニコニコ生放送を活用することを日本将棋連盟として提案していました。

またニコニコ生放送は新規ファンが沢山いますが、棋力でいうと初級者の方が多いようです。
観るファンに棋力は関係無いとはいえ、棋力があるほうがより楽しめることは間違いありません。
ニコニコユーザの棋力を引き上げる番組が出来ないかと、ドワンゴ社ともよく話していました。

そういったことがきっかけとなり、今回の番組となりました。
この番組を観ることで、タイトル戦や電王戦をより楽しめるはずです。
また終了後も誰でもいつでも観られるようになるとのことで、将棋に興味を持ったファンにも活用して欲しいものです。
さらに深く、という方にはi羽生将棋シリーズがお勧めです。

ぜひご覧ください!


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 08:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 告知 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月21日

角交換四間飛車&ゴキゲン中飛車

最初はプロで流行の角交換四間飛車の本。
色々出ていて私も買っていますが、門倉四段のシリーズは読みやすくていいですね。

角交換四間飛車 徹底ガイド (マイナビ将棋BOOKS)
角交換四間飛車 最新ガイド (マイナビ将棋BOOKS)

徹底ガイドをまず買って、その後最新版という順番がお勧めです。
角交換振り飛車を指したい方は、徹底ガイドを繰り返し読み、将棋倶楽部24などで練習するのがいいでしょう。

ゴキゲン中飛車では、高見四段の本をご紹介。
中飛車破り 一直線穴熊徹底ガイド (マイナビ将棋BOOKS)

超速▲3七銀急戦の本は色々出ていますが、穴熊の本は初めてです。
アマチュアの方には超速よりも、覚えやすい一直線穴熊がお勧めです。
じっくり戦うほうが実力も出て楽しいと思います。
また先後で細かい違いはあっても大筋で変わらないので、覚えることが少ないのでアマチュアの方にはうってつけです。


実は昨日この2人にモバイル事業関連でお手伝いしてもらいました。
アイデアも色々出してもらい、協力的でありがたい後輩2人です。
そんなこともきっかけで紹介しました。
勿論どれも良著なので、ぜひご一読ください。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 22:03| Comment(2) | TrackBack(0) | 棋書紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月19日

喉のケアで最近買った物

今日は小ネタで。
私は喉が弱く、特に季節の変わり目はやられやすいです。
去年10月は喉を痛めたまま大阪遠征に行き、前日のホテルで熱を出して順位戦で痛い星を落としました。
今年の10月もやはり喉が痛い状況で戦うはめになりました。

そこで色々調べて以下の2つを買ったところ、喉の痛みから解放されて11月の対局はスッキリとした状態で臨むことができました。

一つ目がこのはちみつ。



舐めたりヨーグルトに入れたりするだけ。
クセもなく、美味しく食べられます。
喉が痛い時には、マスクをしてこのはちみつをゆっくり食べると、それだけでだいぶ緩和されます。
あとお腹の調子も整えてくれるとのことで、これを食べ始めてからお腹をくだすことが少なくなりました。

もう一つは喉スプレー。
アズレンという成分がいいとなにかで見て、合わせてジェルタイプのものを近所の薬局で発見し購入。これが大当たりで、柔らかく痛みを緩和してくれます。
外出先に喉の痛みを覚えた時に便利です。

毎年寒くなると風邪気味が抜けずに辛いのですが、今年はこれらを武器になんとかしのぎたいです。
ちなみに私は効果がありましたが、個人差があると思うので異論はあるかと思います。

さらに昨日までの休み中に調べていた防寒グッズを今日購入。
効果があればまた紹介しようと思います。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 11:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月13日

上村四段戦

先手で石田流から角交換型の振り飛車へ。
新手を出したことで未知の展開となり、一手一手に気を遣いました。

苦戦気味でしたが、粘って態勢を立て直し逆転して迎えた図。
先手▲が私です。


2013.11.12上村戦.gif


ここで▲8四角が相手のブロックを崩す好手で手応えを感じました。
▲6二角成と▲6六香〜▲6二香成と2つの手段があるのがポイントです。
ここでリードを奪い、この後大きなミスがあったもののなんとか押し切ることが出来ました。

全体を通じてはミスが多く、内容としてはいいものではありませんでした。
ただそういう中で勝ちを拾えたのは大きいです。
残り4戦、頑張ります。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 18:17| Comment(5) | TrackBack(0) | 対局結果 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月11日

明日対局

明日は第72期順位戦C級2組6回戦、上村四段戦です。

上村四段は初参加の新四段。昔から知っている後輩棋士ですが、公式戦では初対戦です。
棋譜や対局の様子を見ていると、三段リーグを戦うような迫力と泥臭さが感じられます。
こちらも自分の全力が出せるよう、戦ってきます。
頑張ります。

順位戦は日本将棋連盟モバイルと名人戦棋譜速報で中継をしています。
日本将棋連盟モバイルは順位戦は注目局のみ中継。
名人戦棋譜速報は順位戦専用サイトで、全局中継しています。スマートフォン&タブレットにも対応しています。
ぜひご活用ください。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 将棋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月07日

将棋電王トーナメント総括、プロ棋士と対戦するソフト、今後について

将棋電王トーナメントで5位までに入ったソフトが第3回電王戦でプロ棋士と対戦します。
1位 (初代電王)ponanza
2位 ツツカナ
3位 YSS
4位 やねうら王
5位 習甦
全棋譜も電王将棋トーナメント公式サイトにアップされています。

1・2・5位は第2回電王戦でもプロと対戦した強豪ソフト。
ponanzaとツツカナは力が抜けていて、さらに21戦全勝だったponanzaは相当の実力です。
習甦は予選絶不調で、そこから巻き返したのはさすがの実力といえます。

3・4位は戦略や工夫で勝ち上がったソフト。開発者の方の力量で順位を上げた感じです。
YSSは古参ソフトで、非Bonanzaというところに心意気を感じます。(評価関数はBonanzaメソッドを使っているとコメントでご指摘いただきました)。
やねうら王は序盤作戦や時間の使い方など、あまり重要視されていなかった手法で上位進出を果たしました。

3日間通じての印象として5位までに入ったソフトの実力は高く、第2回に続いてプロ棋士側も厳しい戦いを強いられそうです。

優勝候補と目されたBonanzaは決勝トーナメントで2連敗して敗退。大会通じていまひとつ冴えがありませんでした。
5位決定戦1回戦でAperyに負けた時、波乱という言われ方でしたが、昨日とりあげた将棋も総合的にAperyのほうが実力は上かもと感じていたので驚きはありませんでした。
ちなみにそのことをある開発者の方に話したところ、何故か驚かれました。
コンピュータ将棋のレーティングがAperyのほうが上で、それを知らない私が言ったからだそうですが、将棋を見る目は多少あるのです(笑)

ponanza、ツツカナと若い開発者が1・2位を占めたこと、新しい開発者がジャイアントキリングを起こし、しかも新しい技術開発を全員に呼び掛けていたこと。
なにより新しいスポンサーがコンピュータ将棋に進出したこと。
これらはコンピュータ将棋が新しい局面に突入しつつあることを示しているのかもしれません。

今大会は、ハードを統一することで開発者の工夫や知恵を競い合う、という趣旨がきちんと活かされたと思います。クラスタ化でハードを強化してソフトを強くするというのも一つの道ですし、限られたリソースでいかに勝負するかというのを競うのもまた一つの道でしょう。


ところでコンピュータ将棋との共存共栄は電王戦の一つのテーマであり、私もずっと心にとどめていること。
3日間じっくりソフトの将棋を見て、開発者と語り合うことで、一つ思いついたことがあります。
それはコンピュータ将棋を強くするやり方を人間に応用できないかというもの。

分かりやすい例でいえば、コンピュータ将棋はプロの棋譜を学習していますが、それは多くの棋譜並べをして定跡を覚えるのとほぼ同義です。
これは既にやっていること。
3駒関係(興味ある方はBonanzaのwikiで)は活かせないものか。
玉と飛と角の3つの駒がどこにいるとバランスがいいかとか、銀の退路に歩があるとマイナスとか。

その他色々方法があり、そのまま人間には適用できなくとも、工夫次第で今までに無い効率的な学習方法が生まれるかもしれません。
今後行う指導に色々採用していき、効果の高いものは発表していこうと思います。


実り多き3日間を振り返りました。
電王戦のプロ棋士との対戦は来年の3〜4月、それまでにも12月頃にイベントが予定されているようです。
今後もご注目ください。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 19:01| Comment(7) | TrackBack(0) | 電王戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月06日

将棋電王トーナメント名局集

コンピュータ将棋はときに度肝を抜いたり常識を超える手を指すことがあり、そこに魅力と将棋の深さを感じます。
今日は大会のキーとなった将棋から名局を簡単にみていきます。


オープニングマッチとなった予選リーグ1回戦Bonanza―Apery戦。
双方10秒将棋での戦いが続いています。△3三歩と後手のAperyが打ったところ。


2013.11.6電王トーナメント1.gif


詰めろを回避しただけと思いきや、とんだ毒まんじゅう。
▲3三同角成で詰めろを継続しようとすると△9五桂以下長手数の詰みでトン死します。
そこで先手は▲3五角と詰めろを継続し、以下△5三金打▲6二金という手順で先手が勝ち切りました。
10秒将棋とは思えないレベルの高い手順でした。


予選リーグ最終戦では結果的に4位(シード権獲得の最後の枠)を争う直接対決となったやねうら王―Apery戦が興味深い一戦。
やねうら王の持ち味である「やね裏定跡(詳しくは開発者のブログより)」にAperyが引っかかり、角換わりの富岡流(プロ間で詰みまで研究されている有名な定跡)で一気に終局。
コンピュータ将棋は定跡では1秒で指すので、まさに秒殺でした。
結果的にこの星が両ソフトの運命を大きく左右し、やねうら王は4位入賞、Aperyは5位決定戦で敗れて惜しくも入賞を逃してしまいました。
それにしてもコンピュータ将棋でこういう将棋が表れるとは驚きました。


決勝トーナメント2回戦のツツカナ―Aprey戦では、ツツカナが人間のような時間の使い方を見せました。


2013.11.6電王トーナメント2.gif
圭=成桂 杏=成香


▲6二桂成自体は普通の手ですが、この手に約15分使っています。これはコンピュータ将棋としては異例の大長考。しかも残り20分(切れ負けなので0になったら即負け)からの大長考は、トラブルではないかと会場はざわつき、立会人としても肝を冷やしました。
ツツカナはこの長考で全てを読み切り、文字通り全ての手を読んでいるので以下は全て1秒指し。今までに無い試みに会場ではツツカナの開発者に称賛の声が送られていました。


決勝トーナメント5位決定戦1回戦習甦―AWAKE戦ではザ・コンピュータ将棋という手が。


2013.11.6電王トーナメント3.gif


▲2四銀と3五から歩頭に進んだところ。99%成立しない類の攻めですが、この場合▲7一角と▲4一角の筋があることや自玉が堅いことで成立していたかもしれません。
今大会は凶暴な攻めを見せていた習甦。予選では裏目に出ていましたが、決勝トーナメントではそれがいい方に出ていたようでした。第2回に続いての登場でプロ棋士へのリベンジなるでしょうか。


決勝のponanza―ツツカナ戦は変則的な序盤戦から居飛車―振り飛車穴熊に。穴熊のponanzaが猛攻をしかけ、ツツカナが受ける展開。


2013.11.6電王トーナメント4.gif


△5六歩は驚きの一手。銀取りを放置して次に成ることの出来ない垂れ歩。この歩は結果としてと金となり、先手陣を崩壊に導きました。
人間には、特にこのプレッシャーのかかる決勝という舞台ということもあり、指せる人はいないであろう好手(たぶん)でした。
決勝は専門誌など報道もあるかと思いますのでこのくらいで。


面白さを少しでも感じていただければ嬉しいです。
他にも面白い将棋が多く、もっと世の中に出していきたいと思います。

明日は3日間の総括とコンピュータ将棋との今後について書く予定です。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 10:53| Comment(1) | TrackBack(0) | 電王戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月05日

将棋電王トーナメント終わる

3日間にわたった将棋電王トーナメント、無事に終了しました。
今回は大会の立会人として携わっただけに、まずはホッと一息というところです。
ずっと将棋を観て、コンピュータ関係の新しい知識にも多く触れ、知的好奇心が刺激されすぎたのか、頭が対局後のように冴えていて、夜中に目が覚めてしまいました。
大会で想像以上に体力を消耗し、今日の午前中は休養にあてることに。

まだぼーっとしていますが、そんな3日間を、3日間にわたって書こうと思います。
まずは立会人として。


初めての大会、そして18チームものコンピュータ将棋ソフトが出場したとあって、思っていた以上に色々なことがありました。立会人として難しい裁定をくだす場面も多く、それは出場者にとって非情な判断になるケースもあります。
開発者の方が手塩にかけて育ててきたソフトが、実力で負けるならともかくトラブルで負けを認めざるを得ない時、どんな心境か想像に難くありません。それでも皆さんとても潔く、私としては助かりました。それは将棋へのリスペクトというものが念頭にあるからでしょうか。
それにしてもコンピュータ将棋の大会は、バグやトラブルといったものとの戦いであることも感じました。何事もなく一局を終えることが開発者にとって大きな喜びであるのでしょう。

出場者の方々とコミュニケーションをとる時間も多くありました。ある程度知識は得ていっても、やはり実際にお話するほうが何倍も理解が早くなります。
おかげで一層コンピュータ将棋の知識も深くなりました。
今大会は出場者の方が期間中にもブログを書いており、勉強しつつ参加できたのも大きかったかと。
電王戦トーナメント本戦 2日目 やねうら王特設ページ

このブログの執筆者はタイトルにもある「やねうら王」というソフトで参加し、4位入賞、電王戦でプロ棋士と対戦することになりました。
この方は放送をご覧いただいた方はご存じでしょうが賑やかで楽しい方で、私も色々と教わりました。

大会を通じて、開発者の皆さんがとても楽しそうで、厳しい勝負の中に笑顔が絶えませんでした。視聴者の方にも好評だったようですし、まずは成功裏に終わったとみて良さそうです。
運営に携わったものとして、それに勝る喜びはありません。

私自身、プログラミングやプログラマーに強い興味があり、仕組みを知ったりお話を伺うことがとても楽しいです。大会を通じてそれを再認識しました。


明日は印象に残った一手、明後日はプロ棋士と戦うソフトとコンピュータ将棋とのこれからについて書こうかと思います。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 17:03| Comment(2) | TrackBack(0) | 電王戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月01日

将棋電王トーナメント

2〜4日で第3回電王戦のコンピュータ予選、将棋電王トーナメントが行われます。

将棋電王トーナメント特設ページ
初日の放送ページ
2日目の放送ページ
3日目の放送ページ
全日モバイル中継があります。

今大会では立会人として私も全日参加します。
放送へも解説で登場する機会もあるかと思います。

第3回電王戦はこの大会の上位5ソフトが出場します。
注目は第2回電王戦に出場したponanza、ツツカナ、習甦。
そしてなんといってもBonanza。
あとは古参のYSS。選手権で好成績をあげたAprey。ユニークなところではカツ丼将棋も。
いきなり強いソフトが表れることも十分にあり得るので、予想は難しいです。
詳細はこの記事も。
「将棋電王トーナメント」をより楽しむために読んでおきたいコンピュータ将棋の魅力&知識、そして注目ソフト(マイナビニュース)

3日間、お楽しみください!

3日(日)は注目の女流頂上決戦、リコー杯女流王座戦第2局加藤女流王座(1勝)―里見女流三冠戦も。
PC中継サイトはリコー杯女流王座戦中継サイト
モバイル中継もあります。
こちらも注目です。
今日は夕方に行われるレセプションに出席する予定です。


それではまた
posted by 遠山雄亮 at 10:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 告知 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする